ニンゲンシッキャク-6
「話せば解り合える」
イタガキ マユ
何故、人間が言葉を話せるのか解りますか。
だから、話しましょう。きっと、あなたとわたしは解り合える筈ですから。
言葉は初め、単なる記号に過ぎなかったかもしれません。しかし、人間の進化によって記号は文字や言葉に変化していったのです。言葉を話さずして、相手に解って貰おうなんて甘過ぎます。言わなければ、解らない事もたくさんあるのですから。
だから、言ってしまえばわたしは書くより話すほうが得意なんです。今、わたしは話す時と同じ口調でこの文を書いています。けれども、書くだけでは伝わらない事も多くあると思うんです。やはり、直に話さなければ伝わらないと思うんです。
わたしは間違えていますか。わたしや、あなたには口があります。口の中には歯があり、舌があります。これは決して物を食べる為だけの機能では無いと、思うんです。あなたはどう考えますか、教えて下さい。
話して下さい、全て。
「選択不可能」
オオコウチ カズキ
俺達に、選ぶ権利なんて無い。
祖父母、両親、兄弟姉妹、子供。場合によっては友人や恋人、配偶者さえ選べない。俺たちは決められた世界で、決められた様にしか生きていけないんじゃないかと思う。権利という名の義務に押し潰され、抵抗さえ出来なくなっている。
なぜ、この様に作文を書かなければいけないのですか?
なぜ、学校というものに通わなければいけないのですか?
なぜ、働かなくてはいけないのですか?
俺の質問は、まともに受け入れられた事が無い。誰も真剣に相手にしてくれた事が無い。だから、いつの間にか一つずつ忘れていってしまう。
何を考えていたのか。
何を思っていたのか。
何を悩んでいたのか。
そして、俺達は覚える。
選ぶ権利なんて、初めから無い事を。
「神様なんていない」
カトウ チユキ
それでも、わたしは言いたいの。
神様なんていない、って。仏だっていない。聖人だっていない。だって、いたら地球なんかドカンよ。
っていうか神様って何?
っていうか仏様って何?
っていうか聖人って誰?
そんなに凄い人なら、解るはずでしょ。地球なんか一思いに滅ぼしてしまえばいいのに。社会問題、環境問題、地球問題。バカバカしいにも程がある。
そうそう、いい事教えてあげる。環境汚染と環境破壊を抑える方法。知りたいでしょ、ね。それは地球の人口を半分以下にして、文明を石器時代まで遡らせるの。簡単でしょ、誰も実行しないだけらしいけど。そうそう、頭の良い人は残しておいたら駄目。あっという間に、今の世の中みたいになっちゃうから。
あーぁ、皆無くなっちゃえばいいのに。そうすれば、無駄に考える必要も無くなるでしょ。
「矛盾概念」
サイゴウ タカオ
生物とは、素晴らしいと思いませんか。
犬が好きです。
猫が好きです。
鳥が好きです。
虫が好きです。
魚が好きです。
生物が好きです。
人間が好きです。
だから、ぼくはペットを飼いません。ペットショップにも行きません。犬の散歩をしている人がいたら、目を背けます。捨て犬や捨て猫、野良犬や野良猫とは目を合わせません。好きな人には、絶対に関わりたくありません。