切恋--涙---1
先生に会っていない
お互いの気持ちを知った日
体をはじめて繋げた日
でも、悲しい両想いの始まりでした
あの日、体を繋げた後、愛は寝ている翔を横目に帰ってきてしまった
翔からも連絡はない
結局、一時の言葉だったんだ、あれは
ため息とともに数日が過ぎていった
「愛!最近元気ないね??どうかした??」
「ううん、平気。ちょっと疲れ気味かな」
親友の秋、いつでもあたしのことを気遣ってくれる子
でも、翔のことは言えない..
「あんまり悩むのよくないよ?」
「え?」
「どーせ好きな人のことでしょ?やっぱり無理だよ、年の差は。どーせ気持ち伝えても体目当てでOKするかもよぉ?」
ずきっ
愛がこの数日ずっと悩んでたことだった
好きっていってくれた
でも、なんでなんにも連絡くれないんだろう
あたしは、結局その場だけ?
11歳という年の差の相手を好きになり、ましてや本気の恋愛は初めてだった愛には不安のほうが大きかった
ましてや翔はもうすぐ地元に帰ってしまう
その場だけの言葉と考えてしまうのもしょうがないことだった
「あはは、もう平気だよ。どうせ高校生だから相手にされるわけないもん。悩んでなんかないよ」
「だよね!あたしはてっきりもうやっちゃったのかと思った!!だってその人の家行ってるんでしょ??なーんてね。さ、移動移動!」
「・・・っ。うん..」
そう・・なのなかな、やっぱり
--放課後
「あーい!ごめん!今日なんかミーティング入ったから先帰ってもらっていい?」
「あー、平気。」
「本当にごめんねぇ、あと、今日は早く寝なよ?顔色悪いし・・」
「うん、平気。ありがとね」
「んじゃ!ばいばい」
帰り道..
先生・・・先生・・・
考えるだけでも涙が出てきた
なんで、なんで?あたし、どうすればいいのかわかんないよ..先生
気がつけばそこは翔の家の前だった
いつのまに・・バカだなあたし。ストーカーじゃんこれじゃ
ふらっ
立ちくらみ?最近寝てなかったもんなぁ。。。
薄れ行く意識の中、翔の茶色い髪が見えた
・・・・先生?
「・・・愛?」
「。。。ん、先生?」
「よかった気がついて。どうしたんだよ一体。帰ってきたらお前貧血で倒れてるし。どうしたよ」
「・・・ごめん。」
どうしたって・・・先生のせいじゃない
こんなに不安で、こんなに苦しくて、悩んで
「っ・・・」
「え?ちょっ、なんで泣く?」
「・・・好きです」
「え・・?」
「好き、先生好き。好き、好き・・・好きなの」
「愛?どうした、いきなり」
優しく抱きしめる腕、
ああ。これは夢じゃないんだ。あたし、この人の腕に抱きしめられてもいいのかな
「好き・・好き。・・・ぐずっ」
「俺も・・」
耳元で聞こえる声
でも反射的に愛は体を放して叫んだ
「嘘!・・・嘘つき!」
翔の胸を叩く
「あたしを好き?嘘だ、じゃあなんでずっと連絡くれなかったの!?その場だけじゃないの?
抱きたかったからでしょ!?自分に惚れててるから好きって言えば信じると思ったんでしょ!?」
「・・・・そう、思うのか?」
「えっ・・」
愛が見た翔の目は切ない色をしていた
「そう、思われてもしょうがないよな。自分でもびっくりしてる。まさか好きになるなんてな、今さらだよな」
今更・・・そんな風に言わないで、愛はもう混乱していた
「・・連絡とらなかったんじゃない、取れなかったんだ。もう俺は地元に帰る。そんな中あの日お前が好きだと気がついて、
気持ちを伝えてしまった。それでお前をもっと苦しめたって思ったから、気持ちに整理をつけるまで連絡するのは避けたんだ」
「・・・苦しかったよ。でも・・・なんで、嫌いになれないのかな、嫌いになれたら、きっと幸せなのかもね。なんでかなぁ、先生」
「・・・っ愛!」
翔は愛を強く抱きしめた
「それでも、先生を好きでいたいから、離れるまででも好きでいたいから。だから、後悔なんかしないで。
好きって言ってもらえただけでもあたしは幸せなの。苦しくなんかないから」
お願い、あたしを好きになったこと後悔しないで
あたしは、あなたがいればいいの
翔の唇が愛の頬を伝う
「泣かないで」
そのまま愛の唇に重なった
「ん、・・・・先生。」
「翔。名前で呼んでって言ったじゃん」
笑いながら言う
「うん、そうだね。翔」
愛は翔の耳元で呟いた