オスとメス-2
サナの射精を促すような激しい手コキに耐えられなくなり、僕の身体は射精モードに入る。
ペニスが膨張して最高潮に硬くなると、サナは口を開けて長い舌を出した。
「あ…あ…ああっ…!」
うめき声を上げた僕は、溜まりに溜まった欲情とともに精液を発射した。
最初の白い飛沫がサナの上唇に飛び、2回目、3回目と発射された飛沫は舌の上にこぼれた。
二ケ月前とは比べ物にならないくらい多い精液の量だ。
我慢に我慢を重ねた後の精液の量はいつも多い。
魚介類、バナナ、ココアなんかが精液の量を増やすのにいいとサナに言われて、僕は母に頼んでそれらの食品を買ってきてもらうようにした。
急に食べ物の好き嫌いが変わったことに疑いを持たれないかとハラハラしていたけど、母は健康にいいからと喜んで買ってきてくれた。
鮮やかな赤い上唇と舌の上に精液を付着させながら、興奮しきった赤ら顔で微笑むサナは最高にいやらしかった。
例えて言うなら、待ち望んだオスの精液を手に入れて喜ぶメスのケダモノだ。
口とオマンコを満足させて、ようやく絞り取った精液を体内に吸収できるのが嬉しくて仕方ない淫乱なメスだ。
サナは上唇に付いた精液を指で取ってそれを舌の上の精液に混ぜ込んだ。
その長い舌を窪ませるようにして動かすと、舌の上に溜まった精液がプルプルと揺れる。
舌を引っ込めて口の中で精液をもてあそび、また口を開けた。
透明な唾液の中に白い精液が浮いている。
それを見せつけるようにしばらく口を開けたままにして、また閉じた。
そしてゴクン、ゴクンと二回に分けて喉を鳴らして飲みほした。
嬉しそうに口を開けて長い舌を出すサナ。
その口の中にはもう一滴の精液も残ってはいなかった。
僕の金玉で作った精液を残らず彼女は飲みほした。
その光景は、愛するメスの中に自分の精液を注入することに成功したオスの本能を満足させたかのように、僕の心は大きな幸福感で満たされていた。
でも、それも束の間、射精し終わった直後の敏感なペニスに鋭い刺激を感じて急に現実に引き戻された。
サナは鈴口に付着していた精液を舐め取ると、ペニスを口に含んだ。
初めて味わうその新たな刺激的な快感に、僕はなすすべもなくされるがままになった。
汚いからという理由で、僕は今までフェラチオ拒み続けていた。
それを苦もなく取り払うように訪れたフェラチオの初体験だった。
いたわるように優しく絡みつく舌。
鈴口、亀頭、カリ、さお、裏筋、玉袋。
その舌はまるで生き物の様に生殖器をもてあそんで、強烈な快感をもたらした。
でも一度射精したせいもあってか、射精に上りつめるまでにはいかない。
「気持ちいいでしょ? あたしのフェラは?」
「うん…、すごいよ…」
「挿れてくれるよね? あたしのオマンコに、ヨシキのチンコ挿れてくれるよね?」
サナのその言葉を聞いた僕の理性は、一瞬で吹き飛んだ。
オマンコで、メスの生殖器で精液を絞り取られたいという欲望が僕の中で一気に高まった。
僕は完全なオスになりたいと思った。
便座に蓋をしたサナは、頭を貯水タンクに寄り掛からせて上体を寝かせるようにして股を開いた。
肉棒を受け入れる体制が万全になった肉穴。
そこに顔を近づける僕の鼻に、メスの強烈な臭いがツンと突く。
僕は腰の位置を調節して、唾液まみれになって勃起したペニスをパックリと口を開いた膣口に近づけた。
亀頭を膣口に当て、いざ挿入しようとしたその時だった。
「こらあっ! いつまで残ってるんだ! 早く家に帰りなさい!」
男性教員の大きな声が辺りに響いた。
僕はびっくりして飛び上がりそうになった。
夢中になっていてわからなかったけど、トイレにこもってからいつもよりだいぶ時間が経っていたようだった。
我に返った僕たちは急いで服を着て、誰もいないことを確かめるとトイレの扉を開けた。
忍び足で廊下まで来て辺りを見回すと誰もいない。
「誰か別の生徒を叱って、そのまま向うに行っちゃったみたいだね」
僕がそう言うと、サナは黙ってうなずいた。
大人に大事な物を取り上げれられたみたいに、彼女は悲しい顔をしていた。
僕は意識することなく、彼女の右手を両手で包むように取っていた。
「続きは明日にしよう。明日またきっと…」
自然とそう言葉が口から出た。
彼女は大きな瞳を潤ませてうなずいた。
なぜだろう。
その時、今まで味わったことのないような切なさが胸に込み上げてきた。
恐ろしいまでの孤独感。
彼女と離れるという恐怖感。
気が付くと僕は彼女を抱きしめていた。
彼女は震えていた。
彼女もきっと僕と同じ気持ちを今感じているんだと確信した。
本能のままに快楽をむさぼりあった後の僕たちに訪れた、限りなく透き通って脆い存在のはかなさ。
相手と繋がって一体になりたいという純粋な思い。
肉体を通してそれを実現しようとするむなしさと挫折。
僕たちはこの時初めて、大人への階段を上り始めたんだ。