おかしな熱中症-6
「わたしのバッグを開けてみて」
遥香の声は震えていたが、理人にはじゅうぶんつたわった。
遥香の傍らにあるおしゃれなバッグを開けてみると、分厚い手帳と文房具、さまざまな化粧道具に化粧品、その他用途の不明なものがいろいろと入っていた。
「どれでもいいから、お姉さんのここにちょうだい……」
遥香は器用な出先を生かして陰唇を左右にめくり、プライベートの空間に招き入れるように両脚をM字にひらく。
数分後──。
遥香は身悶えていた。
アニマル型のクリップで乳首を挟み、肝心の局部には大小さまざまな異物が束になって入っている。
ペン、スティックのり、携帯用スプレー、マスカラ、それにヘアブラシ。
異物同士がカチャクチュとひしめき合って、遥香の子宮を突いている。
普段なら絶対に入れたりしない物で責められていると、どうしようもなく愛着が湧いてくる。
「すごい、気持ちいい、こんなの、あん、イク、イク……」
足の指で床を引っ掻いたり、乳房を揺らすほど呼吸を荒げたりして、遥香はあっという間にオーガズムに達した。
そうして書棚に背中をあずけて痙攣を鎮めていると、理人がまた異物たちを秘密の穴に突き立ててくる。
「んくうっ」
天使のような顔をして、悪魔のようないたずらをつづける少年。
甘い媚薬よりもハードな快感に入り浸ったまま、遥香はまたすぐに上り詰めた。
ヨレヨレのラビアをつたう蜜の流れを感じながら、なすがままの自分に酔いしれる。
きっと苦悶と快楽の入り混じった表情をしているに違いないと、遥香は我が身を心配した。
「ぼくに遊んでもらって、楽しい?」
遥香ははげしい吐息の中で、なんとか肯定の仕草をした。
意識もあぶない。
もうダメかもしれない。
けれども体はイキっぱなしになっている。
窓の外から漏れてくるセミの鳴き声は、7日間ある命のうち、何日目の鳴き声なのだろう。
そんなことを考えながら、遥香はふたたび蜜を吐き出した。