「もっとイチャイチャしたい!」-2
***
しばらく勉強をして、少し休憩をとる。
二人で彼の買ったお菓子を食べて、一息ついた。
美味し…これ大好き。
真奈美が夢中で頬張ると、彼の手がのびてくる。
「真奈美、ついてる」
彼女の口に付いたかけらをすっと取り、口に入れた。
真奈美は思わず赤面するが、悠馬は彼女の心も知らず、もう一つ焼き菓子を口に入れた。
「あ、あのさ、悠馬…」
「ん?」
「……。」
エッチ、したいんだけど…
「えっと、」
…そんなこと、言えるわけないよぉ!
「私、甘いもの嫌いなんだよね!
こんな手土産買ってくるなんて、ほんと悠馬って気が利かないんだから」
「え?でもこの間、ここのマドレーヌ真奈美が大好物だって言ってたから買ってきたんだけど」
「こ、この間はこの間!今は嫌いなの!」
好きだよ!
お菓子も、悠馬も…。
「ふうん?…そっか、ごめん」
鈍感っ!
「悠馬の馬鹿っ」
「えぇ?なんで?」
「ごめん!なんでもないっ」
私のバカ!
「はあ…」
悠馬がトイレに出て行くと、真奈美の口からは盛大なため息が出る。
…付き合ってるのに、私だけ悠馬のこといやらしい目で見てるみたい。
テーブルに顎をのせて、憂鬱な気分で買ってくれたお菓子を見る。
覚えててくれたんだ。
ありがとう、すごく美味しい…
って、なんで、言えないんだろ。
悠馬も、おいしそうに食べてたなぁ…あの、綺麗な指で…
…あの指で、わたし…
いつの間にかいやらしい妄想が広がり、悠馬の指に見立てて自分の指で唇をなぞる。
『真奈美…』
もう、どれくらいしてないんだろ…
『…真奈美、可愛い』
真奈美にとっては遥か昔の悠馬の吐息。
思い出すだけで、下半身が熱を帯びてくる。
「悠馬…」
そっと反対の手で胸を撫でる。
「ん、ゆうまぁ…」
彼がしてくれたのを真似て触れるだけで、息は熱くなる。
少しだけ、もう少しだけと触っているうちに夢中になり、彼が戻って来る音にも気づかなかった。