君をやっぱり守りたい-1
◇ ◇ ◇
芽衣子の恐怖で強張る顔を見た瞬間、今まで散々彼女に対してやってきたひどいことがフラッシュバックしてきたが、芽衣子が俺の名前を呼んでくれた瞬間、迷いは吹っ切れた。
金縛りから解放された俺は、男から芽衣子を助ける決意をした。
芽衣子が俺の名前を呼んでいた、それだけで走るのには充分だった。
「手島さん!!」
しかし、走り出そうとする俺に、園田はなおも羽交い締めにしている腕に力を込めてくる。
「放せっつってんだろ!
俺は芽衣子を守りたいんだよ!!」
四の五の考えるのはもうやめだ。
成仏ポイントも、生まれ変わりも、芽衣子を殺すことも、どうでもいい。
今ここで彼女を助けられるのは俺しかいねえんだ。
隙をついて俺は、園田の腹に思いっきり肘鉄を食らわせた。
小さい呻き声をあげ、園田が俺の攻撃に身をかがめた瞬間に、奴から離れて走り出した。
そして俺に背を向けて今まさに芽衣子の履いてるショーツに手をかけている男の首根っこを掴もうとした。
「芽衣子ぉぉぉ!!」
届くはずのない声を有らん限りに出し、男を芽衣子から引っ剥がそうとした、その時だった。