君をやっぱり守りたい-4
久留米は眉根を寄せギロッと男を睨みつけるも、手も足も出せない状態に悔しそうに歯噛みしていた。
下手に動くと芽衣子の首にナイフが突き刺さる。
芽衣子は唇をガタガタ震わせながら、涙をいっぱい溜めた目で久留米に助けを求めていた。
しかしどうにも動けない久留米は、舌打ちするしかなかった。
久留米の攻撃でフラフラになっていた男は、ようやく形勢逆転と言った感じで膝を震わせながらも少しだけ口を歪ませた。
男の隙を作れたらいいのだが、芽衣子は恐怖で声すら出せない状態だ。
だったら俺があのオタクから芽衣子を引き離してやればいいじゃないか……!
コイツだって、久留米の攻撃でかなりフラフラになってるし、何より久留米に対して相当ビビっている。
久留米に隙を見せられないと、意識はそちらに向いてばかりだ。
大丈夫だ、これなら芽衣子を助けることができる。
息を吸い込んでから、男に走り寄ろうとすると、俺の背中に
「手島さん!」
と、またも園田の制止する声が聞こえた。