授業中の俺の日常-1
一時間目、数学Ⅱ。
「『２の30乗は何桁の整数か？』江口、やってみろ」
現在行われている単元は「指数・対数」である。
てか、分かんねえ～。
ちょんちょん・・・
後ろから背中をつつかれた。
(何？ 紀子ちゃん？)
(この問題、常用対数を使えば良いの)
(あ、マジで？ Thank you！)
俺は彼女にヒントを貰うと完璧な発音で礼を言い、席を立って黒板に向かった。
「えっとまず、２の30乗はlogで表すと底が10、真数が２の30乗と書けます」
「ほう、それで？」
「２の指数30をlogの係数に移して、イコール、30×log10の2になります」
俺は一旦手を止め、先生を見た。すると「合ってるから続けなさい」と続きを促された。
「え～、ここで常用対数を用いる訳ですが、log10の2は0.3010です。従って、30×0.3010、よってイコール、9.0300。なので桁数は10桁となります。以上です」
「大正解。みんな、拍手してやれ」
ぱちぱちぱち――
ふぅ、良かった・・・。
彼女を見ると俺に優しく微笑みかけてくれた。
紀子ちゃん、可愛いっ！