授業中の俺の日常-2
二時間目、古典。
「今日から平家物語に入る。江口、冒頭から読んでみろ」
え〜、また俺・・・。
(達也君、頑張って♪)
オッケー、マジで頑張るわ!
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」
「ん、何だ? 続けなさい」
はぁ、まだ読むのかよ。
「おごれる人も ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ。遠く異朝をとぶらえば 秦の趙高 漢の王莽 梁の朱异 唐の祿山 これらは皆 旧主先皇の政にも従わず 楽しみをきわめ 諌をも思い入れず 天下の乱れんことを悟らずして 民間の愁うる所を知らざりしかば 久しからずして 亡じにし者どもなり。近く本朝を――」
「ああ、もう良い」
ふぅ、長かったぜ。
俺は後ろを振り向き、彼女に「どうだった?」と尋ねた。
「うん、良かったよ」
ああ、そう? うふふふふっ☆
紀子ちゃん、お世辞だと分かってるけどありがとっ!