君にしてきたたくさんのひどいこと-4
エミがいつものごとくアパートに来て、愚痴っていた時のことだった。
日曜の昼から飲んだくれていた俺達三人は、酒が切れたので買い出しをジャンケンで決めることにした。
その結果、芽衣子が負けて買いに行くことになってしまった。
二人きりになった俺とエミはそのまま彼氏の愚痴話で盛り上がっていた。
話を聞くうちに、ふとエミが“男の人の意見もこれから聞きたい”と、連絡先の交換を求めてきたのである。
その時は、深く考えずに交換し、しばらくは本当にエミの恋愛相談にのっていたが、これが間違いの始まりだった。
親身になった恋愛相談の甲斐もなく、エミは彼氏と別れてしまったらしい。
エミからのメールがおかしくなったのはそれからだ。
彼女は彼氏と別れた淋しさからか、やたら俺に泣きつくような甘えたメールを送ってくるようになり、俺と二人で会いたがるようになった。
その頃の俺達はと言うと、すっかりヒモに成り下がった俺を食わすために、芽衣子がキャバクラのアルバイトを始めたあたりで、二人でいる時間が少しずつ減っていた時でもあった。
アルバイトを終えて、クタクタになった芽衣子をベッドに誘っても、“疲れた”だとか“明日早いから”だとかで断られてばかり。
彼女は日々の忙しさに俺に構う余裕すらなくなってしまったのである。
だから、時間と性欲を持て余す俺が、エミの誘いに乗っかってしまったのは、致し方ないことだったのだ。