ハジマリ-8
あいまいなことをイサムは言った。
イサムはまだ自分のおちんちんから出てくるものが、おしっこ以外無いと思っているのではないか。
精液の存在を知らないのだ。男の子は気持ちよくなると、これを出してしまうのだ。
イサムはまだそのことを知らないという気がした。まだイクということを知らない。
あたしは既に知っていた。
あたしのあの部分を――おまんこを弄ると気持ちよくなることは、結構以前から知っていた。
それをずっと続けると、気持ちいい電流のようなものが体中を駆け巡るのだ。
それがイクということで、自分でそれをすることをオナニーと言う。
いつでもはイケなかった。心の中がモヤモヤしていやらしい気分になった時はイケた。
時々はイサムのことを考えたりしながらイッたりしたが、その後は自分がとんでもなくエロい女の子なのではないかと思って嫌な気分になったりもした。
今、そのイサムの硬くしたものをあたしが扱いてやっている。
うっうっとイサムが歯を食いしばりながら何かに耐えるように唸っている。
あたしも、それを見てどんどんいやらしい気分になってきた。
今なら、物凄く気持ちよくイケるかもしれない。イサムにそれをして欲しいと思った。
思わず手の力を強くすると、イサムが大きな声で唸った。
「うっ、ううっ、もう何か出ちゃうよ。おしっこか何か、出ちゃいそう――」
「それ、我慢しなくてもいいよ。きっと、気持ちいいから、出しちゃいなよ」
「でも、なんか、怖いし――」
「いいから、ホラ、我慢しないで」
あたしが少し早めに扱き出すと、イサムのそれはさらに硬くなって少し膨らんだ気がした。
そして、一度、二度、三度とあたしの指がイサムの幹を往復した時にそれは起こった。
あたしの指がイサムの先っちょの皮のあたりをぐっと引っ張った瞬間だ。
イサムは普段聞いたことないような声を出して体を震わせたかと思うと、先端から白い液がビュッ、ビュッと勢い良く飛び出したのだ。
あたしのおへそのあたりだったり、ショートパンツの上だったり、太ももだったり。
白い液はいろんなところに大量に飛び散った。
その液体がかかったおへそや太ももは、熱かった。熱い液体だと思った。
イサムは腰が抜けるように、床にしゃがみこんでしまう。
おへそにこびりついた液体を指ですくって、嗅いでみた。とても青臭い匂いがする。
野菜のような、セロリのような、そんな匂いだっただろうか。
ネバネバして、なんだか気持ち悪い。でも、ネバネバはあたしのあそこからも出てくる。
きっと、今も――