ハジマリ-3
「ねぇ、やっぱりユキちゃんのハダカって見てみたいの?」
「なっ……!? お前、何を言って――」
「あたし、見たことあるよ。白くて綺麗だったけど……でも、胸はあたしの方が少しあるかな」
あたしが、Tシャツの上から自分の胸を触って見せると、イサムが鼻の下を伸ばしてこちらを凝視した。
先日親から買ってもらったブラは、今日はしていない。
お父さんの部屋に忍び込んで、そこで見たヤラしい雑誌の女のように、あたしは体をくねらせてエッチなポーズをしてみせる。
イサムは、体をモジモジとさせて、ただあたしを見つめている。
何か気分が良かった。
人を男女扱いしたクセに、ちょっとこういうことをしてみせたら、すぐコレだ。
「イサムったら、そんなじっくり見ないでよ。イヤらしい」
あたしは、両手でイサムの凝視する胸を隠して言ってやった。
「馬鹿言えよ……! お、お前が、胸なんか自分で触りだしたんだろ」
「イサムってさぁ、女の子のハダカって、見たことあるの?」
「は……そんなの、お前……あ、お前のハダカなら昔見たことあるよ」
「――それって、一年生の頃とかの話でしょ。あんた、その頃から、スケベだったのねぇ」
「うるせえ。お前が聞くから、答えただけだよ」
「でも、あたしのハダカ、一年生の頃とは、だいぶ変わってるかもよ?」
「し、知らねぇよ、そんなの。見たことねぇし」
「――見てみたい?」
ことさら、高い声を使って、扇情的にささやいてみる。
隣に座るイサムに、あたしの身を預けるようにして、上目遣いに。
イサムが、半ズボンをもそもそさせて、興奮気味にあたしを見ては目をそらす。
もう知っているのだ。
男の子は興奮すると、半ズボンの中のアレを硬くして、落ち着かなくなることを。
硬くしたアレを擦ると、気持ちよくなって、精液が出ることももう知っていた。
それを女の子の中に出すと、子供が出来たりするのだ。
イサムはそこまで知っているだろうか。
どのくらいの歳から精液を出すのかまでは、よく分からなかった。
だが、たぶん今ぐらいの時期からなのではないかと漠然とは推測できた。
何故なら――――あたしが最近、気持ちいいことを知ったからだ。
その気持よさを思い出すと、あたしのショートパンツの内側も落ち着かなくなる。
イサムがあたしの体を舐め回すように見て、喉をゴクリと動かした。