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これが俺の日常
【ラブコメ 官能小説】

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Prologue -This is not My Daily Life--1

 世の多くの高校生男児の日常はざっとこんな感じだろう。

 午前七時。けたたましい目覚まし時計の音に疲労感を覚えつつベッドから体を起こす。目脂でぴったりと閉じた眼を擦りながら部屋を出、ダイニングへ向かう。人によっては途中で洗面所に寄ったり、トイレで用を足すかもしれない。
 そして母親か父親の用意したやや固くなった食パンをコーヒーで無理矢理喉に流し込み、新聞のテレビ欄にさっと目を通すと次に学校へ行く支度を始める。だが、早くに支度を始めたはずなのに家を出るのは時間ぎりぎり。誰かに見送られることもなくいそいそと学校へ向かうのだ。
 学校へと向かう道すがら、微かに思いを寄せていた幼馴染みが彼氏と仲良く手を繫いで歩くのを複雑な気持ちで見遣りつつ、あいつ来ねえかなあ、と友人の姿を探す。うまい具合に友人を見付けるものの、自分は分からないドラマの話をされ当惑。普段なら行きたいとも思わない学校に早く着いてくれと頭の片隅で思う。
 HR中、特にやることもなく窓の外を眺めていても、声を掛けてくれる女子はいない。そもそも起こりえないと分かり切っているのに、密かに期待している自分が恥ずかしくなる。
 昼休み、独り、或いは友人と机をくっ付けて弁当を囲む。馬鹿談議に耳を傾けていると最後は決まって下ネタに帰結する。
 眠たさを我慢して五六時間目をやり過ごすと、放課後になる。仲の良い友人は部活に行ってしまい仕方なく独りで帰路に就く。喧しいカップルの笑い声にお経か円周率かはたまた東海道線の駅名を空で暗唱しつつ寂しさと搏戦しながら帰宅すると、寒々しいリビングのテーブルの上に「今日は帰りが遅くなります。夕飯は冷蔵庫の中」と言う何の慰めにもならない母親の置手紙。
 一日の中でも温かい風呂だけが極楽である。全てが洗われていく感覚に身を任せつつうとうとし、気が付くと一時間ほど眠ってしまう。温かかったはずの湯はとうに冷め切り、針のように冷たさが沁みる。
 未だ帰ってこない母親を待つ訳でもなく布団に潜り込み、母親ではなく眠気が訪れるのを待っていると、そう言えば宿題やってねえ、と気付く。だが体を起こすのも面倒なのでそのまま目を瞑る。
 そして翌朝になると再び同じ毎日が繰り返される――

 やや大袈裟かも分からないが、大体こんな感じではないだろうか?
 しかし、俺の日常は大きくその軌道から外れていた。
 別に環境に恵まれている訳ではない。環境に振り回されているのだ。
 そしてその元凶。それは妹である。俺の一人中一人の妹である。

 その妹が、何かよく分からないがやたらと変態なのだ。

 一部の人間は喜ぶステータスなのかもしれないが、俺にとっては迷惑千万極まりない。正直俺と代わってくれる人がいたら万々歳だ。はいはいどうぞどうぞと差し上げよう。

 そんな訳で、妹に振り回されがちな俺の日常について書いていこうかと思う。


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