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一二三四そして五
【その他 官能小説】

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ネガティビスティック エイジ-1

中学生になり、晴之の身長は久美子より大きくなっていた。二人の姉たちも大学と専門学校へ進んでいた。整った顔立ちにやさしい性格の晴之は学校では女子から好意を寄せられる事が多かった。なかでも同じクラスの直子は晴之の事をいつも見ていた。しかし、それに気づく晴之ではなかった。
ある日、部活で遅くなり日が暮れかけた頃に帰宅した。工場の駐車場では、久美子と下の姉と整備士の大塚さんがバレーボールで遊んでいた。
「おかえり」楽しそうに息を弾ませた久美子が言った。
「早く、次おねえちゃんからだよ。」姉が久美子にボールを渡し楽しそうに言った。
「はいはい。ちょっと待って、、いくよ。」三人は楽しそうに遊んでいた。
部屋に入った晴之はイライラした。なぜだか最近イライラすることが多いことに気づいてはいた。特に久美子に関わる事でイラつく事が多い。しかし、それは嫉妬とも違う感情で晴之の気持ちは乱れていた。

あの時以来、久美子との間に性的な事は何もなかった。美人の久美子を女性として意識するようになったが、やはり昔から大好きなおねいちゃんでしかなかった。
やはり中学生になれば、どこからともなくエッチに関する情報は入ってくる。それらが晴之の性への関心を高めていった。

体育祭の練習の時、同じクラスの直子が晴之に近づいた。組み体操の練習の後、ベンチで休む晴之の隣に直子が座った。隣と言うよりは身体をつけるように座ってきた。
「晴くん日曜空いてる?」いきなりストレートな誘いだった。
「えっ。」晴之は躊躇した。
「私は暇なんだけど何処かに行かない?」少しだけハスキーな可愛い声で直子は誘った。
「どこに?何処かってどこに?」
「どこでもいいよ。晴くんの行きたいところ。私、晴くんがいつもどんな事してるか知りたいの。」
「・・・・じゃあ、羽田に行きたいけど。」思ったままを答えた。
「羽田?なにするの?」
「いつも飛行機見に行くんだ。」
「いいよ。羽田ね。」
いつの間にか体操着の直子の生足の太ももが晴之の太ももにくっついていた。直子は近視のせいか、顔を近づけて話す。目を細めて笑う可愛らしい子である。息が抜けたような軽いハスキーな声が印象的だった。
太ももの感触が記憶に残った。気持ちよかった。晴之は必死になって勃起をこらえた。

日曜日に晴之と直子は羽田に行った。帰りの電車で直子の方から手をつないできた。晴之には同じ年とは思えないほど直子が大人っぽく感じた。
駅に着いた時、運悪く姉に見られてしまった。姉がニヤニヤしていたのを晴之は見逃さなかった。
「あんた、手なんかつないじゃって・・・。」案の定、家に帰ると姉は晴之をいじってきた。
「なんでもないよ!」晴之は大声を上げた。
「ふ〜ん。」冷静な姉に晴之はイラついた。

それからも晴之と直子はゆっくりと距離をつめていった。直子の積極性もその後はおとなしかった。

中学二年生の夏休み。晴之は直子とよく図書館に行った。帰りに公園や川原で話をする、すごく楽しい時間だった。しかし、家に帰ると姉の態度が晴之を刺激した。
「宿題やったの?」何気ない姉のひと言が引き金となって、物凄い姉弟喧嘩が始まった。
喧嘩は三日続き、見かねた久美子は晴之に話しかけた。
「ハルちゃん、どうしちゃったんだろうね?」いつもの様に久美子の言葉は晴之に優しく入ってくる。
「わかんない。イライラするんだ。いつもいつも。」
「それは困ったねぇ、ハルちゃんは良い子なのに。」久美子は晴之の頭に手を置いた。晴之は涙ぐんでいた。
「ハルちゃん反抗期?かな。たぶん。」久美子は続ける。
「いろいろな事がどうしようもないくらい嫌なんだよね。きっと。そういう時期があるのよ。」
「反抗期?」聞いた事のある言葉だった。
「なんて子だっけ?そうそう、直子ちゃんは?元気?逢ってるの?」
「うん。図書館行ったりする。」素直で正直な晴之に戻っていた。
「ハルちゃん。きっと直子ちゃんの事好きなんだね。そうか。へぇー。」
「そんな事・・わかんない。」
「わかんない?あらら、きっと恋しちゃったのね。それが恋だと思うよ。頭の中がグルグルして、わかんなくなっちゃうの。」
「えっ?」
「正解ね。あーあ、やきもち妬いちゃうぞ。こんないい子に。」そういいながら晴之を抱きしめた。
久美子の魔法で晴之の気持ちはスッキリとした。


翌日、公園の木陰のベンチで晴之は直子とキスをした。無論、晴之から誘った。わずかな時間だったか、長い時間だったかはわからないが、晴之の時間は止まっていた。


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