カム アクロス-1
晴之の両親は東京で特殊車両の整備工場を営んでいた。
父は営業、母は経理、工場には四、五名の整備士が働いている。久美子が求人広告を持って訪ねてきたのは晴之が幼稚園に通う前であった。
「おねえちゃん。」晴之は三十の齢を向える久美子をそう呼んだ。
「ハルちゃんはホントかわいいね。」子供好きの久美子はそう言って晴之とよく遊んでくれた。
久美子は既婚者だが子供がいない。自分の子のように晴之を可愛がった。当然ではあるが、晴之にとっては大好きなおねえちゃんであった。
晴之が幼稚園の時、母が盲腸を悪化させ入院した事がある。久美子が母代わりに幼稚園の送り迎え、食事の支度やお風呂にも入れてくれた。
しかし、晴之はお風呂が好きではない。「ハルちゃん。おねえちゃんも一緒にお風呂に入っていい?」身体を洗わせない晴之に久美子は一緒にお風呂に入った。
「いいよ。おねえちゃんも一緒に入ろう。」晴之は異性など感じることのない年頃である。仕事を終えた久美子は毎日お風呂に入れてくれた。
石鹸を泡立て、晴之の身体を洗う。くすぐったくて逃げ回る無邪気さが久美子にとっては可愛らしくてどうしようもなかった。最後はおちんちんをきれいに洗う、ほんの少し硬くなると久美子は洗うのをやめる事にしていた。
休みの日に久美子は晴之を連れて病院へお見舞いに行った。盲腸とは言え、母の手術は大変だった。ベッドに横になる母に逢うなり晴之は駆け寄った。
「ママ大丈夫?」
「大丈夫よ。いい子にしてるの?」母は晴之の頭を抱き寄せた。
「ハルちゃんはいい子よね。ホント言うこと聞いていい子よね。」久美子が褒める。
久しぶりに母に甘えた晴之だが、少しだけ戸惑った顔をしたのを久美子は見逃さなかった。
「クミちゃんありがとうね。いつも晴之が迷惑かけるね。」母は久美子が晴之の事を可愛くてしょうがないのを知っていた。
母から、もうじき退院と聞かされ病院を出る。家に着く頃には暗くなっていた。
「クミちゃん休みなのにありがとうね。」晴之の父が待っていた。
「なんかハルちゃん眠くなっちゃったみたいで、おんぶしてきちゃいました。」
「ホントごめんね。ただ、進幸重機に車届けなくちゃならなくて。」
「社長、いいですよ。ハルちゃん寝かせますから、進幸重機さんに行ってください。」
「すまんね。」そう言うと晴之の父は出て行った。
「ハルちゃん布団敷くね。」久美子は晴之と二人の姉の分の布団を敷いた。
小学6年と5年の姉たちは、居間でテレビを見ている。久美子は晴之に添い寝をした。
「ねえ、ハルちゃん。」
「なあに?おねえちゃん。」横になって話をした。
「さっき病院でママのおっぱいに手を入れたかったんでしょ?」久美子は優しく聞いた。
晴之はまだ乳離れが出来ていない。それまでも母の胸に手を入れてしまう癖があった。ほんの少し触るだけで落ち着くのだった。
病院でもホントは触りたかった。しかし、照れる事を知り始めていた。
「・・・」晴之は恥ずかしかった。
「ホントは触りたかったんだよね。我慢したんだよね、エライエライ。」久美子は晴之の頭を撫でた。
「よく我慢できたから、おねえちゃんのおっぱい触っていいよ。」久美子はシャツのボタンをひとつだけはずした。
いつもお風呂で見てる久美子のおっぱいは、三人の子供を育てた母の垂れたおっぱいとは違い、白くて大きなおっぱいだった。
照れながらも素直に手を入れる。そこにはやわらかく落ち着く感触があった。晴之はそのまま眠ってしまった。