砂菜の花-1
『ねねッ♪りっちゃんどっちが欲しい??』
突き出された華奢な手には2本の花。赤ぃバラと…そこらに生えてるよーな小さな白い花。
『…赤ぃの』
ぁまり考えずテキトーにそぅ答えると、女友達、砂菜は俺に持ってたバラをくれた。
『ぁはは♪そぅぃぅと思ったょ〜〜ゃっぱり綺麗な方がいいよねッ♪♪』
…まぁな。そっけなく答えると砂菜は困ったようにあはは…と笑った。
この時俺はまだ知らなかった。この花の意味が…
次の日…いつも家の前で待っている砂菜がいなかった。学校でも目が合っても逸らされた。だがその代わり…というように誰かわからないが綺麗な女の子が俺にまとわりつき始めていた。名前は亜記。砂菜の友達だった。
おかしく思った俺は砂菜に問い詰めた。最初は首を横に振るばかりだが次第に俯き始めた。
『亜記…りっちゃんが好きなの。』
『だから…砂菜は邪魔なの。りっちゃんだって綺麗な方がいいんでしょ?』
数秒して昨日の花の事を言ってる事に気付く。
呆然とした…
砂菜はマジで馬鹿だ。
『…俺は亜記ちゃんより砂菜の方が好きだな〜。』
意地悪っぽく言うと彼女はガバッと顔をあげた。ビックリしたような泣きそうな表情に俺は思わず笑った。
うん
俺コイツ好きだわ