8-7
あんなに遠いと思っていた絶頂感が、今はすぐそばに感じられる。
「あああ、またいくう、いっちゃうう……」
痙攣をおぼえた肢体が勝手に濡れて、勝手に上り詰める。そのくり返しだった。
男は優子の乳首に口を寄せた。そしてしゃぶりつく。
柔らかな突起が舌と戯れる。
「魔女の味がする。どうして甘い、どうして……」
乳房の中へ男の顔面が沈んでいく。
はぐはぐと息を吹きかけながら、皮膚の下の脂肪を口に誘う。
空いた手をクリトリスにやって、くっ、くっ、と愛撫する。
これは効いただろうと男は思った。
バイブレーターの刺さっているすぐそばで、赤い芽は包皮もなくさらされて、目にも美しい。
「あ、あ、ああ、いっ、ちゃう、よ……」
オーガズムを告げるその口に、男はキスをした。ディープキスだ。
口内もすでに女性器みたいにぬかるんでいた。
舌と舌とがセックスしている感じである。
唇で逝って、乳首で逝って、膣で逝って、クリトリスで逝く。
逝けない場所なんてどこにもないのだ。
あとはこのまま、気絶するまで逝きつづければいい──男は奇妙なウインクをした。
「ん、あ、いっ、たのにいっ、また、いくう、たすけて、ああいくう、いぐう……」
キスから逃れた口がまた絶頂を叫ぶ。
男にはまだ最後の仕上げが残っていた。
いきり立ったペニスを優子の手に握らせて、しかしそれを使うつもりはなかった。
魔女が気絶していくその様子を、勝ち気な目で眺めているだけだった。
媚薬漬けにされた女子大生がまた一人、夜の闇にさらわれていった。
最後の魔女がきっと見つけてくれるはずさ──。
男はにやりと笑みを浮かべて、最後の仕掛けに取りかかる。
これが見納めになるのかと思うと、決心が鈍った。
玩具を取り除いた膣内に、怪しい液体が注入された。
そこへふたたび玩具を挿し入れる。
最高を知った魔女の体がまた仰け反って、その口が最高を叫んだ。
「逝くううあああ……」