3-5
夜が更けて、街の明かりはうるさいくらいにぎらつき、昼間にため込んだ欲望をここぞとばかりに放出していた。
そんな疎ましい景色も、カーテンを閉めてしまえばいくらか静かになる。
部屋干しの下着類からは、柔軟剤のいい香りが漂ってくる。
そのすぐそばで、くびれのある人影がうごめいている。
粘つく音と、熱い息づかいとが、一人きりのベッドの上でさまよっているのだ。
体中に蜂蜜を塗りたくられたみたいに、肌がどろどろとべたつく。
それが余計に気持ちいい。
露出も、調教も、飼育も、輪姦も、ぜんぶ体験したいと思っている。
幻覚も見える。
それらすべてが媚薬のせいだということも自覚していた。
湯上がりの髪が背中を撫でまわすたびに、シャンプーの匂いが追ってくる。
そういう官能のエッセンスがなければ、オーガズムだって浅いものになってしまうのだ。
はやく、あたしに辿り着いて欲しい。
どんなことをされたっていい。
あたしを捕まえて、めちゃくちゃになるまでレイプして欲しい──。
彼女は手足をぎゅっと折りたたみ、絶頂の瞬間にはベッドの上で仰け反った。
びくん、びくん、びくん、と弱い痙攣に縛られたまま、白い肢体をまるめていく。