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また君に会いたい
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君に忍び寄る魔の手-8

「芽衣子!!」


俺は慌てて彼女の元へ走り寄った。


芽衣子を襲っているのは、細身で眼鏡をかけた根暗そうな若者だった。


伸びきったボサボサ頭に、バックプリントがやけに派手なTシャツと安っぽいジーンズを身にまとったその男は、多分女に縁のなさそうなおとなしい人種であるように見えた。


だがその目は血走っていて、鼻息荒く芽衣子にのしかかるその姿は、正気の沙汰とは思えずに背中に冷たいものを感じる。


芽衣子は必死でもがき抵抗しているが、小柄な彼女では相手が細身の貧弱そうな男とは言え、力でかなうはずもなく、マウントポジションをとられたままだった。


男は芽衣子が声を出さぬよう左手で口を塞ぎ、空いた手と両足を使い彼女の動きを抑えつつ、彼女の履いているショートパンツに手をかけようとしている。


それを見て、最近ここらで痴漢が出るという噂を思い出した。


しかしこんな様子を見てれば、とても痴漢なんて生ぬるいものには思えない。


コイツは、まず間違いなく芽衣子を犯すつもりだ……!


俺は震えを抑えるようにして、右手をグッと握り締めた。


俺は喧嘩はめちゃくちゃ弱いけど、霊魂となった今なら姿が見えないし、向こうからの反撃は食らわないはずだ。


なんとか芽衣子を助けたい一心で、男の背後にそっと立った俺は、スウッと息を吸い込んだ。





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