真夏の夜は・・・-1
蒸し暑い・・・
綾(あや)の背中に汗が伝う。
ダメだ、耐えなきゃ。
そう思えば思うほど、綾の中の熱が昂ぶっていく。
もう、やめよう。
何度そう思ったことか。
それでも、こんな蒸し暑い夜は綾のカラダは熱くなっていく・・・。
こうなると、自分でも制御できない。
ああ、やっぱり我慢できない・・・・
時計を見ると、21時をまわるところだった。
綾は、意を決したように出かける準備を始めた。
30分後。
綾は、駅のホームにいた。
ラッシュ時とはいかないが、利用する客は多くそれなりに混雑していた。
このくらいなら・・・。
そこへ、電車がホームに入ってきた。
綾も、急いで列に並ぶ。
利用客は、サラリーマンや学生、OLなど様々だ。
家へ帰る人、これから仕事へ向かったり、
どこかへ遊びに行ったり。
目的は様々だろうが綾と同じ目的で
電車に乗ろうとしている客は稀だろう。
電車のドアが開いた。
彩は、人の流れに従って電車に乗り込んだ。
ガタン、ガタン・・・
それなりに冷房は効いているが、電車の中は
それなりに混雑しているせいか、やはり暑い。
綾の今日の格好は、白のノースリーブにミニスカートにミュール。
綾、28歳。
153センチと少し小柄で、童顔のせいか学生に
間違われることもしばしば・・・。
色白で、日焼けの跡もなく。
特に日焼け対策をしているわけではないが、
あまり焼けない体質なのだろう。
ツーッと、また背中に汗が伝う。
綾は、胸を隠すようにバッグを抱えて持っていたが
肩にかけて持ち、近くの吊り革を掴んだ。