幼児返りタイム 後編-5
ミカが部屋を出て行った後、真雪は、全裸のまま寝息を立てている龍に、自分も一糸纏わぬ姿で寄り添い、横になった。そして彼にそっとキスをした。
「ん……マユ姉……。ごめんなさい……僕、僕……」
小さく寝言を呟きながら悲しそうな顔をしている龍を見続けることに耐えかねて、真雪はその身体を揺さぶった。「龍、龍、起きて」
「はっ!」龍はそのつぶらな瞳を大きく見開いた。そして目の前に真雪の笑顔を認めた龍は、ひどく嬉しそうに笑った。「真雪!」そして彼は真雪の身体をぎゅっと抱きしめ、彼女の唇に自分の唇を押し当てた。
そっと口を離した龍は、真雪の目を見つめながら言った。「いつ帰ってきたの?」
「え?」
真雪は、今龍が言ったことの意味がとっさに理解できなかった。
「いつの間にここに?」
「お、覚えてないの? 龍」
「え? 何を?」
「あたし、ずっとここにいるんだよ」
おもむろに身体を起こしてきょろきょろと部屋の中を見回した龍は、小さく叫んだ。「え? もう朝?」
「ちょ、ちょっと、龍、しっかりして」
龍は自分が何も身につけていないことに気付いて、顔を赤らめた。「な、何かあったの? っていうか、俺、何かした?」
「あたし、あなたに早く会いたくて朝一番でこの部屋に来たんだよ」
「そ、そうだったの」