どっちがどっち-2
「くくくっ……えっとねぇ……基本的にはボクがネコかな?」
「きゃあ♪」
「やっぱりですか?」
メイド2人が仕事をほっぽってステラの背後に駆け寄る。
「わたくしはライン様がネコの方がしっくりきますわ」
ステラは口を尖らせていじけた。
「でも、基本的には、という事は……?」
普通、タチとネコが入れ替わる事は無いのでは?
「うん。ほら、ボクってバイじゃん?男はラインしか知らないからさぁ〜タチやってみたいって何度か……」
その話題になるとラインハルトは憮然とした顔になった。
「エンがタチになると乱暴なんだよね。下手くそなワケじゃ無いけど……エンはネコが合ってると思うけどなぁ……」
ネコになると可愛いんだよね、とラインハルトはニヤニヤとデレた。
「タチの時とネコの時じゃ性格が変わりますの?」
「変わるって程じゃないけど〜やっぱネコだと屈伏感はあるから大人しくなっちゃうかな?」
あの服従感と征服感は堪らないよねぇ、とエンはラインハルトが座ってるソファーのひじ掛けに腰かけた。
「まあ、せっかくだし聞きたい事あるなら聞きなよ?出来る範囲で答えてあげるから」
「本当ですの?!それじゃあ……」
ステラはメイド2人を自分の横に座らせて、かぶり付くようにしてラインハルトとエンに次々と質問を浴びせかけるのだった。
その後、発売された本には『ファン国王も絶賛』という帯までついて、大ベストセラーになったそうだ。
ーどっちがどっち・完ー