君が恋人に変わった日-14
しかしそんな時でも真面目に答えを返さないのが、俺の悪い癖。
「え、マジで? すげぇ嬉しい!」
でも軽い口調なりに、自分の素直な気持ちを精一杯伝えたつもりだった。
すると、芽衣子は驚いた顔をこちらに向けていた。
「え……じゃあ……」
「うん、オッケーオッケー!
付き合おうぜ俺達。絶対うまくいくから!」
バカみたいにはしゃぐ俺と、信じられなさそうにポカンと口を開けている芽衣子。
「嘘みたい……、あたし、絶対友達にしか見られてないって思ってたから」
だが、次第に現状を理解してきたのか、彼女は両手を合わせて鼻と口を覆い隠してそう言った。
そんな彼女の様子がやけに可愛らしくて、ついつい悪戯したくなった。
「じゃあ、これで信じる?」
周りは寝てる奴ばかりだし、バレねーだろ。
俺は芽衣子の両手を掴んで顔から離すと、そのまま顔を近づけ、触れるだけのキスをした。
芽衣子はびっくりして、大きな目をさらに見開いていたが、やがてプッと噴き出した。
「これでカップル誕生な」
俺達が小声でクスクス笑い合っていると、久留米がいきなり寝返りを打って向こう側に体を向け、豪快ないびきをかき始めた。