ホワイトライ-1
その二人は
どこにでもいる普通の兄妹
「空いたわよ〜お兄ちゃん………まだ悩んでるの?」
「ああ……ここから先が、どうしても思い浮かばなくてな」
どこにでもある日常の風景
「そんなに根詰めると、また体壊しちゃうよ」
「大丈夫さ、このぐらい。それよりお前こそ、そんな格好でいたらカゼひくぞ」
兄は妹を想い
妹は兄を慕う
「また〜。そんな事言って〜、ホントは見たいんでしょ?」
「なっ!?バカ!からかうなよ!……風呂入ってくる!」
「照れちゃって……カワイイんだから」
兄妹愛と呼ぶのか
それ以上なのか
しかしそれは
悪魔でも純粋なものであり
決して
禁忌を犯すものではない
「ふ〜〜。やっぱり風呂に入っても、いいのは浮かんでこなかった………。今日はもういくら悩んでも仕方がないな。……寝よう」
兄の名前は響
「今日も、お兄ちゃんの部屋で寝よ!っと」
妹の名前は沙奈
「はぁ〜。後一週間しか残されてないのに……」
―コンコン―
「お兄ちゃん……今日も一緒に寝ていい……?」
「またかよ。まぁいいけど…」
「やったー!お邪魔しまーす…」
少しだけ裕福で
とてもとても幸せな兄妹
「沙奈、いつまでもこうして一緒には寝られないんだぞ」
「そんな事ないもん!」
「そんな事あるって。俺もそろそろ結婚しなきゃいけないんだし…」
「ヤダ!お兄ちゃんとは私が結婚するんだもん!!」
「お前な〜……子供じゃないんだし、そんなのがムリな事ぐらい知ってるだろ?」
「………」
「おい、沙奈!…ってもう寝てるし………ふぅ………オヤスミ」
兄は妹を包み
妹は兄にうずくまる
想い、慕い、抱き合う姿はまるで長年の恋人の様
血の繋がりは血の鎖
心の伝わりは心の枷
禁忌を犯してはならない
想いを認めてはならない
それでも二人
今この時は
安心をやすらぎを
祝福を