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竹林の恋
【その他 官能小説】

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竹林の恋-1

「…お見合いをしろと言われてしまいました…」
思い切ったように梓は告げた。
松本家屋敷に程近い、濃い黄緑の竹林の中で、松本家の一人娘松本梓と松本家の庭師見習い島崎保太郎は、いつも密会していた。二人は恋仲であった…。地元の名家のお嬢様と使用人。周りに話せる訳もなく、この竹林で密会を続けている。
「…そうか。良かったなぁ」
沈黙を破ったのは保太郎だった。彼はそう言うしかなかった。梓の幸せを願っての言葉…。
見合いなどやめろと言って欲しい…梓の僅かな期待が風に揺れる竹林のざわめきと共に、消えた。
すると突然、保太郎は梓の唇を塞いだ。
「もうここで逢うこともない。梓、幸せに…」
去ろうとする保太郎に、思わず梓はしがみつき、もう一度唇を重ね…そして舌を入れ保太郎の唇をむさぼる。清純でおとなしい梓の大胆な行為に、保太郎は我を失い、梓の着物を乱暴にはぎとる。
「…っあ…あぁ…」
もう逢うことも…でも…今ならまだいいのでしょう?
梓はその一心だった。
笹の降り積もった上に倒れこむ二人。乳房を優しくほぐされ強く吸われ…梓は快感に酔いしれていく。白い肌は竹のようにしなやかに、イカツイ保太郎の愛撫でくねる。
甘い息遣いの中に混じる歓喜の声。
保太郎の右手がツツ…と梓の乳房から太股へと動き、ひと撫でふた撫でしたかと思ったら、スルリと梓の秘所に滑り込んだ。
「ん…っ…」
梓の躰がぴくっと反応する。
保太郎の数本の指が各々意思があるかのように、そこを這い回る。
「梓…すごく濡れてるよ」
実際、そこからはヌチャヌチャと淫らな音がしていて、梓はとてつもなく恥ずかしくなると同時に、とてつもなく感じてしまっていた。
「あっ、保太郎さん…っはぁ…あぁ、あぁ…」
「梓…」
保太郎は指を二本、にゅるりと梓の泉の奥へ沈めた。
そして前側のざりざりしている所を、指の腹で擦りあげる。
「…っ…あっ、あふぅ…保たろ…さ…あぁん!あん!あん!」
泉からはトプトプと愛液が湧き出る。保太郎にしがみつく指に力が入る…。
イキそう…
「あっ、やっ、だめぇっ!あっあああああー!」
力が抜けだらりと腕が落ち、はぁはぁと息をしている梓の両脚を大きく開き、
「梓、お別れだよ…」
と、保太郎はゆっくり自身のモノを梓に挿入していく。梓の耳にその台詞は聞こえてはいたが、待ちこがれた快感に躰の芯を貫かれ、それどころではない。
「あはぁぁ…ん…」
保太郎はゆっくりと腰を沈めていった。虚ろな表情でいる梓の桜桃のような唇に軽く口付けをし、
「…動くよ」
と小さく呟く。
こくん、と梓が頷くのを確認するよりも早く、保太郎の腰は激しく梓を打ち付けていた。
「あっあっあんっ!んっ!んっ!あぅんっ」
動きに合わせるかのように梓が声をあげ、いやらしく腰を振る。保太郎のモノが気持ちいい所に当たるように、自ら角度を探る…。
「あ…そこ…!だめぇ…あっ…あぁっ…いやぁぁん…」
イく・イかないの次元じゃなく、無条件に気持ちがいい…梓の脳内が段々と真っ白になる。
「だめ!いやっ、だめ…っ」
梓の口から、嫌だとか駄目だとかいう台詞が出てくるのは相当感じている証拠だと、勿論、保太郎は承知だ。
動くのを止め、奥深く沈めたままで、ゆっさゆっさと梓を揺り篭のように揺らした。早い動きでないのも保太郎は好きだ。そうやって奥の奥へ刺激を与えられ、梓はもう限界が近いようだ。
「保太郎さん!わたし…わたし…っもう…」
「よし、いくぞ」
再び、早く激しく動く。
「んきゃ…っあ、あんっ、あっふぅ…うんっうんっ」
きゅうきゅうと梓の秘所かキツくなり、果てが近い事を知らせる。
「…っ…あ、づさ…」
「はぁん!はんっ!あはっ、はぁっ、…だ、だめぇっ!いやぁぁ…っ」
「梓!」
「ぁあんっ!あはぁああぁぁ〜〜〜っ!」
びくっ、びくっ、と梓の躰が波打ち、果てた。


「ん…?」
気を失っていたのか眠っていたのか…気付くと梓は一人だった。竹林は先ほどまでの淫らな空気など一切なく、静寂に包まれていた…。


その日から保太郎は梓の前から消えた。故郷に帰ったとの事だったが、不思議と悲しくはなかった。
ただ、切なかった。あの竹林での最後の交わりを思い出す度に。

…END


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