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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Portrait-3

―――フィガロ城



―――応接の間







調度品が並んでいる広い部屋の真ん中で昼間からグラスを傾ける2人の男の会話に相槌を打ちながら、

セリスはさりげなく目の前のソファに座る2人の男の顔に視線を走らせていた。


1人はフィガロ国王エドガー・ロニ・フィガロであり


反対側のソファに座って向かい合うのは
彼の古くからの面識ある悪友でもある、
富豪の街ジドールの最大富豪アウザーだった。



いや、正確にいうとアウザー2代目といったところか。

かつてセリスが帝国将軍だった時の先代アウザーは(その体格と貪欲さが災いしたのか)、苦悶のうちに生涯を終えており、

今は1人息子が父の跡を継ぐ形でジドールでの地位を安泰のものにしている。


もっとも息子、といってもぶくぶくと太っていた先代と違い、
現・アウザーはある意味似ても似つかない風貌である。

エドガーと同じくらいの背丈と、金髪を短く刈りそろえた頭。鼻下に口髭をつけた端正な顔立ちはまさしく貴族の顔である。

一方で体格は貴族らしからぬがっちりしたもので、
彼が自らの意志で日々鍛えている証左であろう。

かつてフィガロ王国やガストラ帝国での留学や訪問を通じた機会に親しくなり、女の好みまで似てきたというくらい現在まで細く長い付き合いを続けている。


これがアウザーとは初対面になるセリスが、
傍らで行われている会話から得た知識だった。


今日はアウザーが久しぶりに悪友の顔を見たいということで、
謁見という名目の元にフィガロ城に足を運んできたのだった。


この時同席していたセリスが身に付けていたのは、
王妃として普通に身に付ける露出の少ない青い生地のドレス。

だがそんなセリスの姿が気になるのか、
アウザーはエドガーと会話しつつ先程からチラリチラリと視線を投げ掛けてくるのだ。


夫すら気づかない何気ない視線に、
セリスは微かな不快さを覚えつつも会話の輪の中に入ることで気をまぎらわせようとした。




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