君と僕と友達と-8
――ビビビッときた。
のは、久留米の方だったようだ。
すでに盛り上がっていたコンパの席で、たかだか一人が遅れて登場した所で、誰も彼女のことなど気付いていないようだった。
そんなガヤガヤ騒ぐ人だかりから、彼女は手招きするエリナの姿を見つけると、嬉しそうな顔でこちらに向かってきた。
「おい、当たりじゃねえ?
あの胸見てみろよ」
俺はニヤニヤしながら久留米の腕を小突いた。
事実、俺が芽衣子と初めて出会ったときにまず真っ先に目を向けたのは、彼女の豊満なバストだった。
しかしそんなちゃかすような俺の言葉にも、久留米はうんともすんとも言わずに、ただボーッと芽衣子がこちらに向かってくる様子をマヌケ面で見つめていた。
「もう、遅いよ芽衣子」
エリナが芽衣子にメニューを渡しながら文句を言った。
「ごめんね〜、バイトの新人さん、バックレちゃったから手間取っちゃった」
芽衣子は舌を出して謝ってから、エリナの隣に座った。
そして受け取ったメニューを見ながらセミロングの髪の毛を耳にかける。
ユラユラとシルバーのピアスが揺れていた。