君と僕と友達と-6
「おかわりは?」
少しぽっちゃりしているその女の子は、人のよさそうな癒される笑顔をこちらに向けた。
「んー、じゃあまたおんなじやつで」
俺もニッコリ微笑み返すと、彼女は素早く幹事の先輩に伝えてくれた。
「お二人は、同じクラスなの?」
再びこちらに向き直った彼女は、俺と久留米を交互に見渡した。
「そうそう、俺ら経済学科のK10クラス。
たまたま同じ出身地だってだけで意気投合したんだよな」
地方から上京を果たした田舎者にとって、同じ出身地っていうのは非常に親近感が湧くものである。
とは言え、俺と久留米の出身地である秋田県は広い。
青森県寄りの地方都市で育った俺と、山形県寄りの地方都市で育った久留米は、互いの都市名は知っていても、実は行ったこともないし、どんな所なのかも知らない。
それでも、いつの間にか常に一緒にいるようになったのは、やはり同郷であるという連帯感から来たのだと思う。
方言が通じ、ローカル番組が通じ、田舎独特のカルチャーが通じる、それだけで上京したてで心細くなっていた俺の支えにもなってくれた。
「ふーん、じゃあ私と芽衣子と同じようなもんなんだ」
俺達のことを簡単に話したら、彼女は嬉しそうに笑った。