君と僕と友達と-13
さらには、三人で安近短の旅行をするまでの仲となる。
静岡の白浜に泊まりがけで海水浴に行ったとき、芽衣子の悩殺ビキニ姿に大喜びした俺は、彼女に“一瞬でいいからおっぱい触らせて”と半分冗談、半分本気でお願いしてみた。
しかし俺がそんなセクハラ発言をすれば、必ず久留米の拳骨が俺の頭に振り落とされることになる。
そして、奴は芽衣子に向かって“ヘソなんか出すと腹壊すから上着かなんか羽織ってろ”と、バスタオルや芽衣子が脱ぎ捨てたTシャツを渡し、それを素直に受け取った彼女は“久留米くんってお母さんみたい”とケラケラ笑うのだ。
こんな風に、いつも俺が芽衣子にちょっかい出して、久留米が俺を諫めて、芽衣子が笑う、これが俺達の定番スタイルだった。
でも、そんなやりとりを繰り返すうちに忘れかけていた疑問が浮かび上がる。
それは、芽衣子に対していつも優しい久留米のことだった。
いや、優しいというより、過保護という方が正しいかも。
とにかく奴は芽衣子を甘やかし、せっせと世話を焼いてばかりいるから、それがちょっと気になった。
だから何度か奴に“お前は芽衣子が好きなのか?”と訊ねてみたことがあるけど、そのたびに奴は“アイツはバカで危なっかしいから世話焼いちまうだけだよ”と必死になって否定していた。
素直な俺は、久留米の言葉をそのまま鵜呑みにした。
別に、久留米の過保護ぶりを気にした所で、この男女の友情に変化が起こるわけでもなかろうと、俺は呑気に毎日を笑って過ごしていた。
だが、俺達のそんな無邪気な関係に変化が起こるのは、そう遠い話ではなかった。