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私が欲しいなら
【ラブコメ 官能小説】

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私が欲しいなら-8

──今度はその顔、写真じゃなく間近で見てみたいんだけど?

それがどういう意味かだなんて考えるまでもない。
そして、その文面を見て喜んでいる私こそが──その答えだろう。

ティッシュを手に取り濡れた指を綺麗に拭くと、
腰を上げ、いまさらながら身なりを整える私。

姿見に映る私の顔はいまだ紅潮しているままだけど、
快楽に身体が火照っているわけじゃない、
変わりはじめた二人の関係性を想像して、照れくさくなっている顔だ。

私はベッドに腰掛けると、膝をたておもむろに翔太へとメールを打ちはじめた。

言いたいことは山ほどあるけど、
私はその想いをひとことに凝縮してメールを送信した。


──私が欲しけりゃトランプで勝負よ!


勝負に負けたのは私だけれど、こんな意地悪して私を辱めたのだ、
絶対私から告白なんてしてやるもんか。
私を独り占めしたければ言えばいい。
誰にも見せた事のない顔を見たければさせてみればいい。


──俺に勝てるつもりかよ?


勝ち気な翔太から、すぐさまそんなメールが届いた。

ホント男の子って勝ち負けにこだわるんだから。
まわりくどい言い回しをしてるのは私だけれど、
ちゃんと気持ち伝わっているのか不安になる。

私は少し考えてもう一度メールを送った。
これでわからないならもう知らない。
勝ち気で積極的な男は嫌いじゃないけれど、鈍感すぎるのは罪なんだからね?


──負けるつもりの勝負だってあるわよ!


私は携帯を閉じ机の上に置くと、制服を脱ぎ捨てベッドに転がった。
もう今日は返事を見ない。見てあげない。
だってその内容は、きっと明日もう一度勝負すればわかることだから。


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