Model-2
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「ん・・・・・・」
未だに眠気を残しつつも、セリスは重い瞼をゆっくりと上げた。
ぼんやりとして曇った視界がはっきりしていく中で
セリスは自分が今寝室にいて、そのまま天蓋付きのベットの上に寝かされていることを知ることになる。
( そう、確か・・・・昼まで肖像画のモデルで椅子にずっと座っていて・・・・
部屋に運ばれた昼食を・・・・・
それからあの画家がエドガーに呼ばれて・・・・
紅茶を飲んで・・・・)
気だるさが残った状態ではあるが、
セリスは自分の置かれた状態を一つ一つ思い起こしていく。
今ベットに横たわっているセリスが身に付けているのは、
夫エドガーが選定し半ば強引にセリスに着せてしまったドレス。
通常の舞踏会用のドレス以上に胸元は露出し、彼女の白く実りある乳房を際立たせている。
紫色の生地は薄手のものでかつセリスの肢体にぴっちりと張り付き、
下手をすれば彼女の体が透けて見えるのではと思えるほどだ。
そして腰から足元までドレスの裾には真っ直ぐ切れ込みが入っており、
そのせいで横たわっているセリスの白く細い足が
そのまま太股近くまで露出してしまっているほどなのだ。
そして彼女のウェーブがかった金髪はそのまま白いシーツの上に海草のように散らばっている。
だが ここでセリス自身
ベットの上の自分に対する異変にようやく気づいた。
「 !!! え・・・・・ 」
そう、
セリスの両腕には白いシーツ状の紐が巻き付けられていて
それぞれがベットの両端に向かって伸びており
しっかりと固定されている。
「これは・・・・」
「ようやくお目覚めになりましたね、セリス様 」
聞き慣れた声と共に、
ベットの脇に
セリスが見慣れた人物が立つ。
他でもない、
今まで彼女の肖像画を書いていた画家その人であった。