君に気付いてもらいたい-1
「手島さん、もういいかげん諦めましょうよ」
園田がウンザリした顔で俺に言った。
この台詞を聞くのは何度目だろうか。
「うっせえ、邪魔すんな」
そして俺もまた、園田の呆れたような顔に向けて、上記の台詞を吐いては奴を睨みつける。
俺は芽衣子を殺すため、あの手この手で彼女に何度も襲いかかった。
だが、なぜかいつもことごとく失敗に終わる。
そしてその度に、俺達は上記のようなやりとりを繰り返していた。
俺が死んで早くも一週間が過ぎた。
俺が人間に生まれ変われるリミットである、8月23日午後4時18分まであと一週間を切ってしまった。
俺の目標は芽衣子と共に、別の“人間”に生まれ変わってやり直すことだから、そのリミットまでになんとしても芽衣子をぶっ殺さなくてはいけないのだ。