君に気付いてもらいたい-13
園田の言うとおり、俺の嫉妬から始まった“芽衣子を殺して一緒に生まれ変わる”という目的は、芽衣子の気持ちを全く無視した自分勝手極まりないものだった。
確かに芽衣子はそれを望んでいないかもしれない。
でも、それでもまだ一緒になりたいという俺の想いは残っている。
なあ、芽衣子。
俺がお前の未来を奪っちまったら、お前は俺を恨むか?
散々傷つけて泣かせても、結局俺の帰る所はいつも彼女の隣だった。
今だってこうして死んでも、なんだかんだでお前の所に帰って来てしまう。
やっぱり俺は芽衣子のことが好きでたまらないんだ。
……芽衣子、俺が隣にいるって気付いてくれよ。
俺はベッドの横にかがみ込んで、触れるか触れないかぐらい優しく、最後につけた傷にそっと唇をあてた。
園田がハッと息を呑む音が聞こえたが、構わなかった。
芽衣子のスレンダーな体がピクリと身を捩らせた。
芽衣子は体をゆっくり起こすと、辺りをキョロキョロ見回した。
一瞬目が合って、つい“芽衣子”と彼女の名前を呼んだけど、彼女の視線は俺を捉えることはなかった。