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【青春 恋愛小説】

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15-4

その後授業が始まると皆席に戻ったが、元は右斜め前の席の凜子に写真を渡したままだったことを思い出した。


元は机の下から凛子にメールを打つ。




『写真、返しなさい』




右斜め前から微かに携帯の振動音が聞こえる。
ポケットから取り出し、立てた教科書を盾に何やら携帯を弄っている。




元の携帯が振動する。




『ちょっと、貸しといて』




面倒なことになった。

チラっと凛子の方に目をやると、こちらを振り向いて親指を立てている。




『いいけど、すぐ返せよ。間違っても周りのやつらに見せないように』




返信。
振動音。

再び凛子はこちらを見、親指を立てた。




口の動きだけで、「まかせろ」と言っている。




凛子にバレた時点で既にアウトだが、凛子の情報通なのも事実。
質は別だが。




しかし暁生に言う言わないは別として、情報量は多い方が良い。


元は諦めて凛子に託すことにした。


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