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【青春 恋愛小説】

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14-6

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久しぶりの仕事に時間は足早に過ぎ去る。
あの二人も、手を繋いで店を後にした。




さっきまでの騒がしさが嘘のようだ。

BGMだけが響く店内でテーブルを拭いていると、店内のPCで先に写真をプリントアウトしていた佐原が苦い顔をする。




「.....連れって、誰のよ」

「サハさんも会ったことありますよ。暁生ってやつ」

「口調優しいやつ?かわいい顔してるやつだろ?」

「そうそう。最近彼女出来たって聞いたばっかりだったんすけど...」

「そういのヤだわぁ。愛理がんなことしてやがったら....相手殺しちまうな」

「サハさんだとガチっぽいからもう....」

「とにかく暁生がいたたまれねぇな」

「でもまだ黒かどうか決まったわけじゃないんで....」




写真を片手に家路に着く。

黒じゃなくても、灰の可能性もある。





別に男とサシで飲むこと自体は悪いとは思わないし、美帆がそうしても気に留めないだろう。

元自身も、女性と二人飲みなんてよくある話だ。




しかしあくまでも、そこまで。

楽しく飲んで食って、終わり。





先ほど見た伊織は、元の思うその線を越えている気がする。





元の足取りは重かった。


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