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言うべきか。
否か。
いや、只の友達付き合いかもしれない。
スキンシップ多めの。
確かに学校にもその手の女子は、いる。
しかしよく見れば、話しながら手を繋いでいる。
やはりこれは、黒か。
オーダーのビールを注ぎながら、隣の佐原に耳打ちする。
「サハさん、あの二人の写真撮っていいすか?」
「....ワケありか?」
「あの女の子、連れの彼女のハズなんすよ」
「.....そういうパターンか」
佐原は、雰囲気のいい客や常連を撮っては壁に張り付けている。
その流れで、あの二人組には元から交渉して写真を撮った。
かなり酔っているのか何の疑いもなく、寧ろ乗り気で撮影に応じた。
飛びっきりの笑顔だ。
撮りながら元は嘘であってほしいと願う。
二枚現像して一枚は店内の壁に。
そしてもう一枚は、鉄弥と誠に確認の為に見せよう。
確証が無ければ暁生本人には見せられないし、確証を得たとしても見せれるものだろうか。
暁生を思うと胸が痛んだ。