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【青春 恋愛小説】

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14-3

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この日も、客は耐えない。




久しぶりに立つ元を、笑顔で迎え入れる馴染みの客達。




最早どちらがお客様なのかも分からない。




この小さな箱は、元にとっては第二の家。




その家に、また新たな二人組の来客。




「おかえりー!」




佐原は、馴染みの客でも新しい客でも、構わず決まってお帰りと言う。

ポリシーなのだろう。

変かもしれない。
違和感を覚える者もいる。

しかし佐原は変えない。




元も釣られてお帰りと言うようになった。
ここで働き始めてから、「おかえり」という言葉が好きになった。




先程の来客のオーダーを取っている最中に、気付いた。




この既にほろ酔いの男女のうちの、女性。




見たことがある。

誰だったか。




「サハさん、あの二人って前からの客すか?」

「んー、最近かな。たまに来るけど」

「そうすか」

「気になるのか?」

「いや、あの女の人見たことある気がするんで」

「お前の昔の女とかじゃねーの」

「いーや、違いますね」




他人のそら似なんてよくあることだ。
向こうもこちらを気にしている様子はない。





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