第二章-1
「雄太、久しぶりね、元気にしてた?」
待ちに待った真奈美からの電話に雄太は
「真奈美さぁん、ずっと待ってたんですよぉ」
と甘えたような出した。
真奈美と知り合い、初めてのセックスというものを知り、雄太はまるで自分が周りの友人達を一歩リードして一足先に大人になったような気分になっていた。
友人達が好きな同級生の話やセックスの話をしていても今までは一緒になって盛り上がっていたが真奈美を知ってからは余裕を感じてただ聞き役になり心の中で真奈美の体や匂いを思い出していた。
あれから一度もあのビルには行かなかった。
真奈美との約束というのも勿論あったが雄太自身が全く覗きに興味がなくなったからだった。
学校が終わり家に帰ると毎日のようにビニールから真奈美のシャツと下着を取り出し、初めて出会ったあの日の事を思い出してシャツの腋の下の匂いや下着のシミの匂いを嗅ぎながらオナニーをしていた。
そして夜寝る前には
「今日も電話無かったな、真奈美さん本当にまた電話してくれるのかな……俺真奈美さんに会いたくては死にそうだよ」
と毎日考えながら眠りにつくのだった。
初めて真奈美と知り合ってちょうど一ヶ月後の金曜日の夜、雄太の携帯に着信があった。
画面を見ると見知らぬ携帯番号で雄太はもしかしてと思い急いで電話に出た。
「もしもし」
すると聞き間違える訳が無い、待ちに待った真奈美の声が雄太の耳に響いた。
「雄太、久しぶりね、元気にしてた?」
待ちこがれていた真奈美からの電話に雄太は
「真奈美さぁん、ずっと待ってたんですよぉ」
と甘えたような声を出すと真奈美は笑いながら
「なによ、情けない声ねぇ、明後日の日曜日、何か予定ある?暇だったら私と遊ぶ?」
と雄太を誘った。
雄太は天にも昇る気持ちで
「暇です暇、たとえ親が死んでも真奈美さんに会いに行きます」
そう言うと再び笑いながら
「うふふ、大袈裟ねぇ、じゃあ日曜日、どこで待ち合わせする?」
「じゃあ………」
すぐに話はまとまり真奈美が雄太の家のすぐ近くまで車で迎えに来る事になった。
そして電話を切る前に真奈美は
「雄太、私いい事考えたの、どんな事かは会うまで秘密ね、楽しみに待ってなさい」
そう言って電話を切った。
ついに日曜日になり雄太は朝早く起き、早く約束の時間にならないかと全く落ち着きなく過ごした。
「真奈美さん、いい事考えたって言ってたけど何だろう?多分エッチな事だろうけど…」
そんな事を考えて更に待ち遠しくなったがとりあえず真奈美が嫌がらないように雄太は風呂に入って念入りに体を洗い小綺麗な格好をして待ち合わせの時間を待った。