5時間目-2
頑張ることを他人に見せるのが嫌いだった俺は
なりふり構わず勉強して
噂では彼女に振られたことになっているらしい。
ま、近いもんがあるけど。
そんな俺は
第二志望の弥生ちゃんの母校に昨日合格した。
明日。
第一志望の発表。
ヘタレな俺は弥生ちゃんに一緒に見に行ってほしいけど
弥生ちゃんはガッコのセンセイ。
平日は下級生の授業が入ってる。
翌日、何も言わずにいつもどおりに出かける姉貴と
ダメでも真樹と同じところでも十分だぞ?と
もう慰めに入ってる親父を見送り
母親に見送られて家を出た。
「弥生ちゃん」
玄関にもたれてる弥生ちゃん発見。
「よし!行こうか!」
気合を入れてやけに元気な弥生ちゃん。
「ガッコは?」
「休んだ」
「平気なのかよ。センセイだろ?」
「先生より、智樹の彼女なんですけど」
「・・・・いくか」
「うん」
電車で1時間の道のりは二人とも何も話せなくて
7か月ぶりにつないだ手は冷たかった。