第九話(最終話)-4
「安心して。転校しようと、私の心は、いつまでも兄さん(と杏子様←小声)と一緒だよ」
(完)
「だから勝手に終わらせるなっていうのに」
ハーモニーちゃんといい、なんで物語を終わらせようとするんだよ。
しかも『お兄さま』から『兄さん』に変わっるし。
「兄さん。私、学校に、行ってきま〜す」
「いや、授業終わってるって」
「すぐに帰ってくるので、心配しないでね。心配しないでね、兄さん」
「はっ!?愛ちゃん、そのセリフはまさか!?」
「気付くとは、さすがです。優紀姐さん」
何のことを言ってるのかわからないけど、優紀が『セリフ』と言うからにはアニメかなんかで使われたセリフなのだろうか。
「話しすぎました。語学の勉強をするので、これで」
「…………」
いつも部屋に引きこもって何してるかと思えば……。
旅というのは本気らしいな。資金面が心配だけど。
「魁さん」
「うん?」
「最終話みたいです」
またメタなことを……。
「どうします?恋人らしく、●●●●でもします?」
「ハーモニーちゃんみたいなことを言うな」
やぶさかではないけど。
「というか、優紀の口から●●●●って出るとはな」
「う、うるさいですっ!自分で言って恥ずかしかったんですから!」
ウブですなぁ。
いや、俺も顔が熱くなってきたし人のことは言えんか。
「優紀。最終話っていうなら、この作品らしく終わらないか?」
「と、言うと?」
「ぐだぐだな感じに、だ」
「苦情がくるのでは……」
「ここまで読んだ勇者様たちだぞ?大丈夫だろ」
「いえ、最後だけを期待して読んでる方もいると思います。私はそういうタイプですし」
「それは……困った」
うーん。
最終話とかメタなことを言われても、どう締めればいいかなんてわからないぞ。
「私に妙案があります」
「お。なんだ?」
「魁さんがにゃんさんと「却下で」
言葉を遮って進化キャンセルのごとく却下した。
「最後まで言わせてくださいよ!にゃんにゃんする、まで言わせてくださいよ!」
「断る」
なんだにゃんにゃんするって。