第六話-4
「なまらはともかく。立川さん、どうするの?」
「どうするとは?」
「いや、だから。連れてきてどうするのかってことだ」
「そうだーにゃ。そこまでは考えてなかったんだけれど、しかし愛くんは身寄りがない」
え、それマジな話だったの?
「さて。魁くんはどうするのかな?」
なぜか皆の視線が俺に集まる。
「どうするって、そりゃあ……」
泊めるくらいのことはできるけど、俺に一任されても困る。
「正直に言ってください。魁さん」
「え?」
「ロリコンなんですよね?ハーモニーちゃんや愛ちゃんみたいなちびっこが好きなんですよね?」
「では魁さま。わたくしもロリですから、今すぐ結婚致しましょう」
「色々と間違ってるからな」
いちいちツッコむのもめんどくさい。
「杏子。お前が連れてきたんだ。お前が母さんたちに頼めよ」
「そうしたいのはまやまや、じゃにゃくてやまやまなんだけど、実はこれからオーストラリアに行くことになってるんだよー」
なーにふざけたことを抜かしよる。
「えっと……にゃんさん。愛ちゃんはどうするんですか?」
「え?魁くんの妹なんだから、魁くんが面倒見るに決まってるにゃー」
また変な設定が追加された。
「なまら、妹」
「嘘つけ」
「大丈夫。死んだお父さんの隠し子とかにしておきなよ」
「父さんは生きてるからな」
「魁くんと優紀くんの子どもってことにしておきなよ」
「無理ありすぎんだろ」
「ボクと魁くんのこど「黙れ」
***
馬鹿やっているうちに、杏子はさっさと空港へと向かってしまった。
残される銀髪少女。
「お兄ちゃん。よろしく」
「……っ!」
お兄ちゃん。
な、なんだ!?この胸の高鳴りは!?
ま、まさかこれが『妹萌え』ってやつなのかー!?
「ユーキ。カイが不快な動きをしてる」
「めっ!見ちゃダメですよ!」
怪しい人みたいに言われてしまった。
「立川さんいや愛。もう一度、お兄ちゃんって呼んでごらん」
「きめぇんだよ。何気安く下の名前で呼んでやがんだ」
淡々とした口調で罵声を浴びせられた。
「優紀さん。何やら魁さまが別人のようになってしまいましたけれど……」
「あれはもはや魁さんではありません……」