投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゆうき!
【青春 恋愛小説】

ゆうき!の最初へ ゆうき! 24 ゆうき! 26 ゆうき!の最後へ

第四話-8

気にするよ!
身の危険を感じるよ!
なんだよまさか俺の部屋に隠しカメラでもあるんじゃないよな。二階だし外から覗かれてるってことはないだろうけど。

「不肖この私が、ダーリンのために朝ご飯を作ってあげましょう」

「おぉ」

これは素直にありがたい。
傍芽の料理の腕は、母さんが認めていた。というか落ち込んでいた。
「これが格の違いというのね……」なんて膝を曲げて大袈裟に落ち込んでいた。
まぁ三年も前の話だけど。

「この前は聞きそびれたけど」

トーストにブルーベリージャムを塗りながら、俺。

「仕事は何してんだ?」

「実はAV関係の仕事をしてるんだよね」

AV……?
オーディオ・ビジュアルのことだよな?
アダルトなビデオのほうじゃないよな?

「へ、へぇ」

仕事の話終わり。
さっさと話題を移そう。

「実は昨日、女の子を拾ってさ」

「『捨て犬拾っちゃった』みたいなノリで言われても困るよダーリン」

「あ、ああ。それもそうだな」

「女の子って、どうせ十歳くらいの日系外国人でしょ?よくある話だよね」

「…………」

よくあってたまるかー!
絶体こいつ見てたよ!むしろ会話も聞いてたよ!
盗撮とか盗聴されてるよこれ!マジで怖いからやめてくれ!

「ハーブティちゃん、だっけ?」

「違う」

「ハーモニカちゃん?」

「似てるけど違う」

「モニカ姫?」

「なんでだよ!」

漫才を終えてトーストにかじりつく。

「ハーモニーちゃんって長いよね。魔法少女って呼んでもいい?」

どうしてそうなった。
しかもそっちのほうが長いだろうが。

「今頃はメリーゴーランドにでも乗って、きゃっきゃと無邪気に楽しんでるんだろうね」

どこまで知ってるんだよ。
俺をストーキングするだけならともかく、遊園地に行ったことまで知ってるとか怖すぎ。

「よし。魁の好きなハンバーグにしよう」

冷蔵庫の中身を見ていた傍芽が言い、パイナップルを取り出してこちらに見せてくる。

「おい。それを使う気じゃないよな」

「別におかしくないでしょ?」

たしかにハンバーグレストランのメニューにはあるけども。

「パインは何にでもあうんだよ?」

「いや、何にでもはあわないだろ」


ゆうき!の最初へ ゆうき! 24 ゆうき! 26 ゆうき!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前