ヤキモチヨウスケ-2
「ねえ、本当にキスまでしかしてない?」
ふとした疑問。もちろん肯定の答えが返ってくると想定してのそれ。
それなのに。
「…………」
探るような視線に、陽介は逃れるように目を逸らして無言になっている。
その間が、答えはNOだと物語っていた。
……コイツ……!
ついつい、乳首を舐めていたその口でやや強めにそこを噛んでやると、陽介はたまらずに大声で悲鳴をあげた。
「痛って!! 何すんだよ!」
そして、慌ててあたしの頭をグッと掴んで身体から離す。
そのまま身体を起こしたあたしは、少し冷めた目でそんな陽介の顔を見下ろした。
「ねえ、ホントはどこまでヤッたの?」
「い、いや……。それは……」
「いいから、正直に言いなさい」
やけに落ち着いた声のあたしに陽介はビビったのか、ヘラリと笑ってから、
「おっぱい揉んで、パンツの中に手を入れました」
と、わざと可愛らしい声でおどけていた。
「…………」
「あ、あれ? 怒った?」
真顔で固まっていたあたしは、思わずハーフパンツの上から半勃起していたペニスをクッと握った。
「ぎゃっ!!」
なんて、間抜けな声で身体を浮かした陽介は、涙目になってあたしを睨む。
「お、お前……ずいぶんな真似してくれんじゃねえの」
「最初っから正直に言えばいいのに隠すからそういう目に合うのよ」
「だって……正直にどこまでヤッたかって言ったら嫌われると思ったし」
「あたしだって、優真先輩とシてたんだからそこまで責める資格はないわよ。ただ隠し事されるのが一番嫌なだけなの。だから、これからは隠し事なんてしないでね」
「わかったよ……」
「よし。じゃあ、もう隠し事はないわね?」
馬乗りになっていたあたしが、ようやく陽介の身体から降りようとした、その時。
「いや、実はな……」
気まずそうに口を開き始める彼の様子に、背中に氷を投げ込まれたような衝撃が走る。
え、まだ何かあるの!?
咄嗟に、頭に過ぎる「浮気」の文字。
幸せに付き合っている時にそんなことされていた事実を知ったら、あたしは平静でいられるだろうか。
固唾を飲んで陽介の言葉を待っていると、彼はゆっくりとその重い口を開いた。
「実はさ……羽衣(うい)にもキスしたことある。ちなみにそんときもおっぱい触って下も触りました」