光の風-7
「私がカルサを好きな気持ちは本当だもの。」
目をそらさない、リュナの言葉に偽りはなかった。無意識にカルサはリュナを引き寄せ抱きしめた。少し震えている、リュナは応えるようにカルサの背中に手をまわし頭をすり寄せる。
「好き。大好き。」
「分かったって。」
「大好き。」
「恥ずかしいからやめろって。」
「カルサだーいすき!」
カルサはおもいきりはにかみ、さらにリュナを力強く抱きしめた。リュナもそれに応える。体を放し向き合った。笑いあう二人。どちらともなくキスをする。何度も何度も求めあった。次第に熱を帯び、息が弾む。やっとの思いで唇を放した。笑みがこぼれる。
「好きよ。」
「ああ。」
「カルサが好き。」
「もういいって。」
リュナはカルサの頬を両手で包み込む。
「あなたが自分を好きになるまで言い続けるわ。」
その言葉に思わず赤面する、リュナには見抜かれていた。カルサが自分自身を嫌いなことを。
「あなたが好きよ。」
諭すように目を見て言う。カルサの目には動揺が見られる、リュナは額に優しくキスをした。
「良いところも嫌なところも、全て好き。」
愛しそうに微笑むリュナ、カルサはため息を吐く。反則だろう。
「リュナ、歯止めきかなくなるからやめろ。」
懇願するように真っ赤な顔でリュナの両肩を押した。だが触れた所の柔らかい感触に鼓動は高鳴る。
「歯止めがきかなくなったらどうなるの?」
好奇心混じりの意地悪な目でカルサを見上げる。カルサにしてみれば反則技のオンパレードだ。カルサは両肩を強く押して、そのままリュナをソファーに押し倒した。
「襲う。」
今までとは違う目、最初にキスされた時と一番似ている。リュナの鼓動はどんどん高まっていく。
「ちょっとヤバイかも、なんて思ってても遅いからな。」
「あ゛、うー…。」
思っていたことを言われてしまい、後には引けなくなってしまった。じりじりとカルサは近づいてくる。思わず目を強くつむった。だが何も起こらない、リュナは恐る恐る目を開ける。そこには満面の笑みのカルサがいた。
「え…っ!?」
「あんまりオレを甘くみるからだ。」
カルサは呆れたように言いながら体を放した。何事もなかったように食べかけのお菓子を口に運び、堪能する。リュナはきょとんとした顔でゆっくりと起き上がる。
「カルサ…。」
「ん〜?」
呆気にとられて呟く名前に、残りの紅茶をすすりながら目も合わさずに応える。リュナは言葉を続けずカルサを見つめていた。視線に気付いたカルサは目を合わせる。