黒い恋人-8
右手でそっと奈美子の身体に触れると、転がすように仰向けにさせる。
荒い息、ピンク色に染まった頬、
赤い口紅はもうすっかり剥げてしまっているみたいだ。
「ここに来てやっと顔が見れた気がするな?」
「ば、ばかっ 恥ずかしいこと言わないでよ」
隠すように右手で顔を覆う奈美子。
けれど俺はその手をどけると、
もう一度覗き込むように、奈美子の顔をじっと見つめた。
「な、なに……よ?」
「いや、相変わらず綺麗だなって思ってさ」
「お、大人をからかうなんて…… いい度胸してるわね」
「からかってなんかねぇよ…… 奈美子?」
そう言って俺が目を閉じ唇を重ねると、奈美子もまた恥ずかしそうに目を閉じた。
「挿れていい?」
「んっ」
「さっきみたいに挿れてって言わないのか?」
「う、うるさいっ」
顔が見えないと積極的な奈美子。
でも、その実、本当は驚くほどに恥ずかしがり屋さんなのだ。
「ホント可愛い人だな」
「も、もうぅ 意地悪ばかり言ってると…… あぁんっ」
ゆっくりと腰を入れ、身体を奈美子へと重ねていく俺。
まるでそれを待ち望んでいたかのように、
奈美子の両手は俺の背中をきつく抱き締めていた。
「気持ちいいよ?奈美子……」
「んっ はぁっ…… わ、わたしもっ んんっ すごくいいっ」
俺は少し身体を起こすと、両手で支え、いっそう腰を激しく動かした。
「あっ やぁっ それだめっ んんっ 待ってっ んっ はぁっ」
両足を大きく拡げたまま、長い髪を振り乱す奈美子。
どこを責められるのが好きで、どこがいちばん気持ちがいいかなんて、
これだけ身体を重ねてたら目を瞑っていてもわかる。
「だめっ やぁっ ねぇっ お願いっ い、一緒にイって?」
「目を開けて俺をちゃんと見てくれたらな?」
その言葉にゆっくりと目を開け俺を見る奈美子。
恥ずかしそうに潤んだ瞳がたまらない。
「い、いっしょにっ んんっ お願いっ り、龍二っ」
「ああ…… くっ イクぞっ!」
「「んあぁっ」」
互いに視線を重ねたまま、訪れる快楽にその身を任せるふたり。
二度目とは思えぬほどに溢れ出る大量の精液。
奈美子の膣内がそれを受け止め取り入れるように収縮しているのがわかる。
俺たちはまるで、その一部始終を見届けるように、しばらく瞬きもせず見つめ合っていた。