黒い恋人-2
駐車場に到着するや、いつものように黙って助手席へと乗り込む俺。
赤いツードアのスポーツカー。
車にあまり興味がない俺にはよくわからないけれど、聞く限り随分と高価な代物らしい。
「……遅くなっても大丈夫だよね、龍二?」
「いきなり呼び捨てかよ?ホント大人は大変なんだな……」
赤い唇がくすりと笑う。
大通りをすり抜け、海岸線へと車を走らす奈美子。
行き先なんて言わなくてもわかっている。
教師と生徒なんておおっぴらに出来ない関係の俺たちが行ける場所なんて限られているのだ。
「なぁ、その前にちょっとそこで止まれないか?」
人通りの少ない物静かな海岸通り。
暗闇の向こうからは波の音だけが聞こえている。
「どうしたの、こんなところで?」
車を止め不思議そうに俺の顔をのぞき見る奈美子。
ここならもういいだろ?誰も見てないんだから。
なんて言葉を呑み込みながら、黙って俺は奈美子に唇を重ねた。
「んっ…… も、もうっ せっかちね……」
ブラウスのボタンをはずし、右手を胸元へと忍ばせる俺。
暗くてよく見えないけれど、たぶん赤いブラジャーをしていた。
「はぁっ だ、だめよっ 声が……でちゃう」
「大丈夫だよ、誰もいやしないさ」
「でもっ あぁっ が、我慢出来なくなるからっ んんっ」
ここに来ていったいなにを我慢するというのだろう。
好きなだけ感じて、好きなだけ気持ちよくなればいいのに。
大人は色々あるのよ……なんていつも言うけれど、
そんなの子供の俺にはまだ全然わからない。
ただ欲望の赴くままに生きて、なにがいけないと言うのだろうか。
「龍二の…… もうこんなに堅くなってる」
いつの間にか右手で俺の陰茎を握り締めている奈美子。
恥ずかしいかな俺のそれは、
奈美子の言う通りすっかり堅く膨らんでいた。
「……ず、ずっと我慢してたからな」
「ずっと?先週してあげたばかりじゃない?」
「ほ、保健医なんだからわかるだろっ 三日も経てばいっぱいいっぱいなんだよっ」
「あは、そうだったわね…… 龍二は思春期真っ盛りだもんね?」
そう言いながら奈美子は嬉しそうに手探りでファスナーをおろすと、
中から陰茎を取りだしては、ゆっくりとそれを上下に扱きはじめた。