君をマジで殺したい-4
蒸発と言ってることから、どうやら久留米は、あの世に“逝く”を、どこかへ“行く”と履き違えているようだった。
「でも……あたし……このまま茂のこと忘れられる自信なんてないよ……」
芽衣子は泣きはらした顔で久留米の顔を見上げた。
久留米は、肩を抱いていない方の手で、優しく芽衣子の流れる涙を拭った。
そして、
「アイツは芽衣子の友達にも手を出すような奴だろ?
芽衣子の稼ぎだってアイツの酒やギャンブルに消えてしまって。
茂とは友達だから今まで言わなかったけど、アイツは立派なヒモだぞ。
……オレなら芽衣子を泣かせたりしない。
茂のこと忘れさせる自信だってある。
だから、オレと真剣に付き合って欲しいんだ。
あの時のアレは、オレは過ちとは思ってない」
と、真面目な顔で芽衣子の顔を見つめた。
俺はと言うと、久留米のその言葉に目が点になってしまっていた。