君をマジで殺したい-10
だんだん芽衣子に怒りを覚えてきた。
俺が死んだってのに、アイツは久留米とお楽しみ。
挙げ句の果てに“死んじゃう〜”だあ!?
こっちは本当に死んでしまったんだっつーの!
「ちっっくしょーーー!!!」
俺は感情の全てを出し切るつもりで、声の限りに吠えた。
こういうとき人間には、死者である俺の声が聞こえないのは非常に都合がいい。
しかし、動物にはやはり不思議な力のようなものが備わっているのか、俺の叫びに呼応したように、あちこちでアオーンと犬の遠吠えが聞こえてきた。
そして、静寂に響く犬共の遠吠えに推されるかのように、俺はある決意をした。
「……園田。俺決めたよ」
「……何をですか?」
俺の据わった目にビビったのか、園田は恐る恐る訊ねてきた。
二人して俺をコケにしやがって。
ヒモの真髄、見せてやる。
「芽衣子もぶっ殺して一緒に生まれ変わる」
――俺達はたとえ死んだって、どこまでも一緒なんだよな、芽衣子?