十一-2
「英語の先生をしているとは、若い女の人が大したもんだ」
「そんなことありませんから」
まったく事情のわからない森咲つぐみは、佐々木繁の話を聞くために、彼の養鶏場へ向かう農道を歩いていた。
詳しいことを説明するからと、繁がつぐみを誘ったのである。
しかしそれは繁の口実だった。
「あのう、深海さんは大丈夫なのでしょうか?」
つぐみが何を言っても、繁は曖昧な受け答えをするばかりだ。
今日は女房のやつも祭りの役員にあたっているから、婦人部の連中と夜まで帰らないはずだ。
それにしても、何とも器量の良い娘だ。
今さらおなごに悪さをしたところで、老いぼれの後生など先が知れている。
それなら最期くらいは若い娘の甘い蜜をすすらせてくれ──。
そんな繁の腹黒さとは反対に、色白のつぐみの肌は日に焼けることもなく透けていた。
ならば女性器も清潔で、良い匂いがするのだろう。
それでいてハイカラな洋服を着るでもなく、大人しめの白いブラウスと、丈の長い黒のスカートに落ち着いている。
何よりも色気が冴えていた。
たまらん──。
繁は口中に唾をためて、つぐみのことを上目で見ていた。
会話も少なくしばらく歩いていくと、土地の割に小さな鶏舎と、低い屋根の家屋が見えてきた。
放し飼いにされた鶏が地面を突っついて、ミミズを掘ったりしている。
「汚いところだが、遠慮はいらんよ」
つぐみを先に上がらせて、繁は後ろ手に戸締まりをした。
しめしめと背中をまるめ、つぐみの尻を追っていく。
ふとしてつぐみは腰をさらわれた。
そうして気づいたときには畳を舐めていたのである。
つぐみは錯乱した。悲鳴を喉に詰まらせて、畳に爪を立てて腹這いした。
「観念せい。わしに股を割られたら、あんただって溺れてしまうんだからな」
繁はつぐみの体を軽々とひねり、仰向けのそこに被さった。
ブラウスのボタンがはじけて、純白のブラジャーが露わになると、つぐみはさらに激しく抵抗する。
「嫌あ……、触らないで……」
恥ずかしさに暮れていくつぐみに、繁は食いついた。
興奮のあまり鼻水を垂らしたまま、つぐみのブラジャーをむしり、乳首に息を吹きかけて、乳房を我が物にしていく。
つぐみは敏感な体質であった。
だからこそ繁の触手にも反応してしまい、汗が滲んだ。
「こんなにええ乳をしとるなら、女々もさぞかしええ具合になっとるだろう」
繁はつぐみのスカートを乱暴にまくって、そこに自分の腰を割り込ませた。
いやらしい熱気がまとわりついている。下着から漂う臭気もいやらしい。
繁は指先に唾をつけると、障子に穴を空けるみたいにして、つぐみの下着の中心をえぐった。
「ううっ……」
つぐみは目を伏せた。
ずんずん、すぼすぼ、と繁の指が教師を犯す。
よじれた下着が陰唇に埋まるたびに、白い生地のそこにシミが広がっていく。
「こんな出来損ないの男に犯されているのに、よくも濡らしていられるもんだ」
猥褻な言葉を浴びせながら、さらに下着をしごくと、愛液はもっともなぬめりを見せた。
「やめ……て……、助けて……」
「よく仕込んである。もしかして、欲情しとるのか?」
言いながら繁はベルトをたわませて、せわしい手つきで自分の下半身を放り出した。
つぐみが目を逸らす。
そのいちもつは年寄りの体に似合わず、そこだけ錆が落ちたみたいに赤黒く照っている。
「わしが子作りの世話をしてやる。それであんたは犯されたまま教壇に立って、女生徒らに避妊のやり方でも学ばせたらいい」
黄色い歯をのぞかせて、繁がにやつく。
こんな男のために、絶対に泣いてやるもんですか。
私はもう紳一さんのためにしか泣かないと決めた──。
そんな強がりを一度は考えてみたが、下着を奪われ、陰部に空気が触れると、つぐみはもどかしい気持ちになった。
繁は容赦がない。つぐみの腰を抱え込み、自慢の肉竿を前に後ろに揺すって空振りしてみせる。
そして亀首を膣口にあてがうと、嫌がるつぐみにかまわず挿入を果たした。