君と共に逝きたい-5
やがて俺の方が限界を感じて、いきなり仕事を辞めた。
そこからは、次の仕事を探すと言いながら日雇いのバイトで食いつなぎ、時には芽衣子の稼ぎで逆転狙いをするためパチンコに通い詰めたりした。
多分、それからが俺達の転落人生の始まりだった。
次第に俺は日雇いのバイトすらしなくなり、アパートでゴロゴロするかパチンコや競馬に出掛けるか。
さすがに芽衣子の稼ぎにも限界が来て、彼女は今までの仕事の他に、キャバクラのアルバイトを掛け持ちするようになった。
朝も夜も働き詰めの芽衣子とは、彼女の仕事疲れもあって、次第に裸で抱き合うこともなくなっていった。
しかし、アパートにいるだけの俺の性欲は溜まる一方で、ある日とうとう芽衣子の女友達と一線を越えてしまった。
それを知った芽衣子は当然激怒、泣きながら別れると叫んだ。
しかし俺は“お前が俺のことほったらかしにするからいけないんだ”と反論し、このとき初めて芽衣子に手をあげた。
その時はまだ張り手を一発食らわせただけだったが、芽衣子は相当ショックを受けたらしい。
ポロポロ涙をこぼす芽衣子に罪悪感がこみ上げ、“俺にはお前だけなんだ”と仲直りのつもりで体を重ねたら、彼女は満足そうに納得し、許してくれた。
しかしこの悪循環ループが一旦できてしまうと、そこからなかなか抜け出せなくなり(抜け出そうともしなかったが)、俺のギャンブルや浮気、芽衣子がブチ切れる、俺が芽衣子を殴る、芽衣子が別れを決意する、俺が引き留める……を延々と繰り返すようになって、次第に手をあげる行為も張り手からどんどんエスカレートしていった。